円融寺|目黒区碑文谷にある天台宗寺院

猫の足あとによる東京都寺社案内

円融寺|旧日蓮宗の名刹、国指定重要文化財の釈迦堂、関東百八地蔵

円融寺の概要

天台宗寺院の円融寺は、経王山文殊院と号します。仁寿3年(853)に慈覚大師が当地に創建した天台宗法服寺を起源とし、日蓮上人の高弟日源上人が日蓮宗に改め、弘安6年(1283)妙光山法華寺と改号したといいます。末寺75ヶ寺を擁し、日蓮宗の名刹寺院として栄えましたが、不受不施派の拠点であったことから江戸幕府の弾圧を受け、元禄11年(1698)天台宗に改宗、天保5年(1831)経王山円融寺と改号しました。円融寺釈迦堂は、都内では東村山市正福寺地蔵堂に次いで古い建造物で国指定重要文化財に指定されている他、数多くの文化財を有しています。関東百八地蔵98番です。

円融寺
円融寺の概要
山号 経王山
院号 文殊院
寺号 円融寺
住所 目黒区碑文谷1-22-22
宗派 天台宗
葬儀・墓地 円融寺示真殿
備考 関東百八地蔵98番



円融寺の縁起

円融寺は、仁寿3年(853)に慈覚大師が当地に創建した天台宗法服寺を起源とし、日蓮上人の高弟日源上人が日蓮宗に改め、弘安6年(1283)妙光山法華寺と改号したといいます。末寺75ヶ寺を擁し、日蓮宗の名刹寺院として栄えましたが、不受不施派の拠点であったことから江戸幕府の弾圧を受け、元禄11年(1698)天台宗に改宗、天保5年(1831)経王山円融寺と改号しました。

目黒区教育委員会掲示による円融寺の縁起

寺伝によれば円融寺は、仁寿3年(853)に慈覚大師によってこの地に開かれた天台宗法服寺がそのはじまりです。
弘安6年(1283)日蓮上人の高弟日源上人により天台宗から日蓮宗に改宗しました。この時に寺号も妙光山法華寺と改めて、以後400年の間にわたり栄えた名刹でした。しかし、いわゆる不受不施の教義を強く主張したため江戸幕府の弾圧を受けることとなり、元禄11年(1698)に元の天台宗にもどされました。そして天保5年(1831)に山号寺号を経王山円融寺に改め今日に至っています。
正面に立つ優美な姿の「釈迦堂」(国指定重要文化財)は室町時代初期に建てられたもので、東京都23区内では最も古い木像建築です。
境内には他に、寛永20年(1643)に鋳造された「梵鐘」(国重要美術品)、仁王門(区指定文化財)に安置されている木像金剛力士立像(都指定文化財)や、日源上人の事績が刻まれている日源上人五重石塔(区指定文化財)などがあり、また本堂には中世宗教史研究上貴重な歴史資料である「円融寺板碑」(区指定文化財)があります。(目黒区教育委員会掲示より)


円融寺所蔵の文化財

  • 釈迦堂(国指定重要文化財)都内では、正福寺に次いで古い建造物
  • 木像金剛力士立像(都指定文化財)
  • 仁王門(目黒区指定文化財)
  • 梵鐘(国重要美術品)
  • 日源上人五重石塔(目黒区指定文化財)
  • 円融寺板碑(目黒区指定文化財)

仁王門(目黒区指定文化財)

仁王門は二間一戸、八脚、入母屋造、茅葺(現在は銅板葺)で、用材は主に欅と檜を使い、和様に唐様を取り入れた建築様式で、細部の虹梁、蟇股、懸魚などにも彫刻的装飾が多く施されています。
中央通路両脇に安置されている木造金剛力士像(都指定文化財)は、永禄2年(1559鎌倉扇谷大蔵法眼の作といわれ、簡素な中に力強さを秘めており、「黒仁王さん」または「碑文谷の仁王さん」として親しまれ、江戸時代末期に多くの人々の信仰を集めました。
仁王門は木造金剛力士像の製作とともに建築されたものと推定され、部分的には中世的性質も残していますが、しかし寛文期(1661-1673)から元禄期(1688-1704)にかけての様式的特徴が見られることから、現在の仁王門は近世になって大改修が行われたものと考えられます。(目黒区教育委員会掲示より)

日源上人五重石塔

総高は約4.4メートル。碑文によると、日源上人の追善供養のため寛永13(1636)年に建立され、その後文化11年(1814)に再興されている。この石塔は、軸石と笠石が別々の石で構成され、しかも軸石が高く、そのため雄大な五重塔となっている珍しい例である。各軸石には、上から「妙」「法」「法」「華」「経」と刻まれ、最下層の軸石には出来や造立者などが刻まれている。(目黒区教育委員会掲示より)

円融寺板碑

板碑とは、生前の安楽と死後の往生とを祈願するために建てられた石製卒塔婆で、円融寺にあるものは、すべて緑泥片岩製の題目(南無妙法蓮華経)板碑である。年号のあるものは14世紀から16世紀のもので、最古のものは文保2年(1318)と刻まれている。題目板碑だけを多数所蔵する所は少なく、いずれも円融寺が法華寺として栄えていた頃の資料として貴重なものである。(目黒区教育委員会掲示より)


円融寺の周辺図