円教寺。日蓮聖人が処刑されかけた際の太刀の刀工鈴木弥太郎貞勝が帰依
円教寺の概要
日蓮宗寺院の円教寺は、休息山と号します。日蓮聖人が瀧ノ口(藤沢市)の刑場で首を刎ねられようとした時、その太刀が砕け散ったことから処刑を免れ、依知(厚木市)本間重連公の館に赴く途中、その太刀の刀工鈴木弥太郎貞勝が、日蓮聖人に自邸へ立ち寄って休息してもらい、帰依し円教坊と改めたことを起源とします。建治元(1275)年自邸を献上して、寺の建立を発願、日範上人を開山、円教坊を開基となり、円教寺として創建したといいます。
山号 | 休息山 |
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院号 | - |
寺号 | 円教寺 |
本尊 | - |
住所 | 座間市入谷1-3221 |
宗派 | 日蓮宗 |
葬儀・墓地 | - |
備考 | - |
円教寺の縁起
円教寺は、日蓮聖人が瀧ノ口(藤沢市)の刑場で首を刎ねられようとした時、その太刀が砕け散ったことから処刑を免れ、依知(厚木市)本間重連公の館に赴く途中、その太刀の刀工鈴木弥太郎貞勝が、日蓮聖人に自邸へ立ち寄って休息してもらい、帰依し円教坊と改めたことを起源とします。建治元(1275)年自邸を献上して、寺の建立を発願、日範上人を開山、円教坊を開基となり、円教寺として創建したといいます。
新編相模国風土記稿による円教寺の縁起
円教寺
休息山遠光院と号す。法華宗、京本国寺末。寺伝の略に、文永8年9月、日蓮瀧の口の厄に当所の人、鈴木弥太郎貞勝と云者警固の内にありて宗法帰依の志を起し、日蓮愛甲郡依知郷本間六郎左衛門重連が宅に赴きし時、偶此地を経歴しかば貞勝己が宅地に請じて暫休息なさしむ。是山号の起源なり。日蓮流刑の後貞勝薙染して円教坊と改め、宅を捨て寺とし、日範を請て開祖とす。円教は正和3年6月朔日死す。日範は元徳2年2月22日寂す。
本尊十界曼陀羅二軸。一は日蓮筆、貞勝に授る所、一は日範筆。
釈迦像二体。一は弘安5年日蓮開眼す、一は円教の念持佛と云ふ。
日蓮、中老日法作。
日範、二世日字の作。
等の像を安ず。
寺宝。
法華経一巻、序品なり。紺紙金泥、日蓮所持の物と云ふ。
番神石一粒、長9寸横5寸、文永中、日蓮当所経歴の時勧請すと云ふ。
番神堂。(新編相模国風土記稿より)
座間市教育委員会掲示による円教寺の縁起
寺の縁起書によると、文永8(1271)年9月12日、日蓮聖人が瀧ノ口(藤沢市)の刑場で首を刎ねられようとした時、にわかに雷鳴が轟き、鈴木弥太郎貞勝公の鍛えた太刀は飛び散って聖人は難を免れた。(瀧口法難)
このことに驚愕し聖人に深く帰依した鈴木弥太郎貞勝公は刑場から依知(厚木市)本間重連公の館に赴く聖人に、自邸に休息を願い、教えを受け「円教坊」の名を頂いた。
後年、建治元(1275)年円教坊は身延に日蓮聖人を訪ね、自邸を献じて、寺の建立を発願すると、聖人は日範上人(開山)を遣わして円教寺を建立されたのである。(座間市教育委員会掲示より)
日蓮聖人御勧請三十番善神縁起の縁起
文永8年(1271)9月12日、鎌倉幕府は、日蓮聖人を捕らえ佐渡流罪とし乍ら、片瀬瀧の口の刑場で首を刎ねようとしました。
当地に住む刀匠鈴木弥太郎貞勝公が鍛えた太刀蛇胴丸を、刑吏の武士が振りかざした刹那に江の島の方より、突如として光り物が現れ蛇胴丸が砕け散りました。
難を免れた聖人は佐渡守護代本間重連公の依知の館へ向かいました。
途中座間通過に当り鈴木弥太郎貞勝公は、自邸に聖人の御休息を願い強化を仰ぎ、帰依を誓い「円教坊」のみ名を賜りました。
円教坊が、「此の地の水は刀を鍛えるのに適しません。聖人のお力でよき水を授かりますなら」と申しますと聖人は傍らの石に「南妙法蓮華経」と認め「法華経」と唱え地を掘りますと、俄に清水が湧き出ました。
流れは今尚絶えません。番神水と尊ばれ、嘗ては地域の大切な生活用水でした。
人々は、番神様を親しみ崇敬し、お守り申し上げております。(境内掲示より)
円教寺所蔵の文化財
- 写経、紺紙金泥法華経子仕立一の巻(市指定重要文化財)
- 鐙一双(市指定重要文化財)
写経、紺紙金泥法華経子仕立一の巻(市指定重要文化財)
写経妙法蓮華経一の巻。寺伝によると日蓮聖人が瀧口法難の折り、所持されていたものであるという。
製作年代は、鎌倉時代中期とみられ、格調高く市内では貴重な逸品である。(座間市教育委員会掲示より)
鐙一双(市指定重要文化財)
鐙は古墳時代末期から日本独特の発達を始め、平安時代末には足裏全体を掛けるものとなった。そのうちでも佐々木掛けと呼ばれるものは最も大形に発達したもので、近江国(滋賀県)の佐々木氏領内日野で多く作られ、日野掛けとも称せられる。
この鐙は、その佐々木掛けの典型に近いもので、格調高く鎌倉時代の風を残した室町時代後期の製作と見られるが、寺伝では日蓮聖人使用のものと伝え、寺宝としている。座間市教育委員会掲示より)
円教寺の周辺図