室生神社。旧領を回復できたことに因む室生神社の流鏑馬
室生神社の概要
室生神社は、足柄上郡山北町にある神社です。室生神社の創建年代等は不詳ながら、般若院住持了智が奈良県室生山の眷属室生明神を勧請して創建したと伝えられます。天正8年(1580)に丸山に遷座、さらに天神社の鎮座していた当地に遷座したといいます。室生神社の流鏑馬は、河村義秀公が「源頼朝が石橋山挙兵の際平家方に味方したため、領地を没収された」旧領を鎌倉で行われた流鏑馬の賞により回復できたことに因み奉納されることになったと伝えられ、神奈川県無形文化財に指定されています。
社号 | 室生神社 |
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祭神 | 建御名方命、倉稲魂命、誉田別命、木花咲耶姫命、天兒屋根命、弟橘姫命、速玉男命、素戔嗚命、大山祇命、日本武命、大日孁貴命、玉依姫命、大山咋命、大己貴命、菅原道真 |
相殿 | - |
境内社 | 天王社 |
祭日 | 11月3日 |
住所 | 足柄上郡山北町山北1200 |
備考 | 旧郷社 |
室生神社の由緒
室生神社の創建年代等は不詳ながら、般若院住持了智が奈良県室生山の眷属室生明神を勧請して創建したと伝えられます。天正8年(1580)に丸山に遷座、さらに天神社の鎮座していた当地に遷座したといいます。
神奈川県神社誌による室生神社の由緒
往古は詳らかならず、新編相模風土記稿に依れば、「村の鎮守神体三座を置く按ずるに川村岸般若院縁起には室生明神は大和国室生山の眷属たり般若院現住了知勧請すと記せり始め中川村に在しりを天正八年(一五八〇)川村般若院の後丸山に移し、その後当初天神の社殿に移せしという例祭九月二十九日流鏑馬あり中川神塚二邑より隔年に的板の料を納むるを例とす」とある。(神奈川県神社誌より)
新編相模国風土記稿による室生神社の由緒
(川村山北)
室生明神社
鎮守とす、神體三座を置、(按ずるに、川村岸般若院縁起には室生明神は、大和國室生山の眷属たり、般若院現住了智勧請すと記せり、)始中川村に在しを、(其舊地今猶存せり、)天正八年川村岸般若院の後、丸山に移し、其後當所天神の社地に移せしと云、例祭九月廿九日、(流鏑馬あり、中川・神縄二村より隔年二的板の料を納むるを例とす、又相撲を興行す、)拝殿・幣殿あり、村持、
△末社。天神(地主神なりと云、)矢倉明神合祀、稲荷、天王
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姥神社
村民持、下同、
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神明社二
吾妻社
子神社三
山王社
御嶽社二
第六天社三
稲荷社六
石神社三
若宮社 (新編相模国風土記稿より)
室生神社所蔵の文化財
- 室生神社流鏑馬(神奈川県指定無形文化財)
- 室生神社のボダイジュ(山北町指定天然記念物)
- 室生神社のいちょう(山北町指定天然記念物)
室生神社流鏑馬
当神社流鏑馬の起源は河村義秀公が、鎌倉で行われた流鏑馬の賞により旧領に復帰できた故事「源頼朝が石橋山挙兵の際平家方に味方したため、領地を没収された。(新編相模国風土記稿)」によるとされている。
この行事が建久元年、復帰された翌年から挙行されたとすれば八百余年となり、またもっと新しく鞍に記されている寛永十二年でも三百五十余年の長い歴史がある。
その後、氏子の手により受け継がれ、一の的(早稲)二の的(中稲)三の的(晩稲)の当たり矢によって翌年の稲作吉凶を占ったとも伝えられている。
昔、馬は四頭であったが、最近は二頭で行われる。
他は昔ながらの兜をかぶり、陣羽織を着て伝統を守り現在は、十一月三日(文化の日)に行われる。郷土の貴重な文化財として、指定し保護するものである。(山北町教育委員会掲示より)
室生神社のボダイジュ
ボダイジュ(菩提樹)はシナノキ科の落葉高木で、中国原産で寺院に植えられることが多いが、釈迦がその木の下で悟りを開いたと言われる木とは別のものである。材は彫刻やマッチの軸などに広く使われる。室生神社のボダイジュは樹高二十五メートル、根廻り四めーとる、樹齢三〇〇年(推定)で、大きく神酒が四本に分かれそれぞれが高く伸びて美しい樹形をした巨木である。
又、寺院に植えられるのが普通で神社では珍しく、昭和五十九年十二月かながらの名木一〇〇選にも選定されている。
郷土の貴重な天然記念物として、指定し保護するものである。(山北町教育委員会掲示より)
室生神社のいちょう
いちょう(鴨脚樹、銀杏、公孫樹)はいちょう科の落葉高木で、中国原産とされるが自生地は不明である。葉は扇形で葉柄をそなえ秋には美しく黄色になる。
雌雄異株の木で、雌株に秋は黄色の種子を結び、内に白色硬質の核果があり、これを「ぎんなん」といい、食用になる。
又、材は緻密で美しく加工しやすい。
室生神社のいちょうは雌株で樹高二十五メートル・根廻り九・八メートル、樹齢三〇〇年(推定)で根本から南北二本に分かれ雄大である。
郷土の貴重な天然記念物として、指定し保護するものである。(山北町教育委員会掲示より)
室生神社の周辺図