能安寺。世附の百万遍念仏
能安寺の概要
曹洞宗寺院の能安寺は、通永山と号します。能安寺は、元亀3年(1572)に創建、香集寺5世行翁(慶長6年1601年寂)が開山したといいます。
山号 | 通永山 |
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院号 | - |
寺号 | 能安寺 |
住所 | 足柄上郡山北町向原2499-1 |
宗派 | 曹洞宗 |
葬儀・墓地 | - |
備考 | - |
能安寺の縁起
能安寺は、元亀3年(1572)に創建、香集寺5世行翁(慶長6年1601年寂)が開山したといいます。昭和44年に計画された三保ダム造成に伴い、当地へ移転しています。世附の百万遍念仏は、三保村(旧世附村)で毎年行われていた仏事で、当地へ移転後も続けられ、神奈川県無形民俗文化財に指定されています。
「山北町史通史編」による能安寺の縁起
町内の寺院には、ダム建設によって移転を余儀なくされた玄倉寺(焼大)、能安寺(世附)のような寺もある。能安寺は向原・香集寺の隣に移転し、現在はそこで世附の百万遍念仏が行われている。
能安寺
通氷山と号す曹洞宗の寺で、川村向原の香集寺の末寺である。元亀三年(一五七二)の創建で開山は行翁という。本尊は地蔵尊である。(「山北町史通史編」より)
新編相模国風土記稿による能安寺の縁起
(世附村)
能安寺
通永山と號す、曹洞宗、(川村向原香集寺末、)元亀三年創建す、開山行翁、(本寺五世、慶長六年二月二日寂す、)地蔵を本尊とす、
△白山社(新編相模国風土記稿より)
能安寺所蔵の文化財
- 世附の百万遍念仏(神奈川県指定無形民俗文化財)
世附の百万遍念仏
附の百万遍念仏は六〇〇年以上前から伝承されたもので、毎年二月十五日から十七日まで能安寺で行われていたが、三保ダム建設で能安寺が水没し向原に移築され、今は毎年二月の中旬の土・日曜日に行われている。
道場(二間四方の板間)の奥正面に大滑車が作りかけられこの滑車に大数珠の綱がかけられる。
念仏衆の念仏声にあわせて、若衆が交替で豪快に数珠を廻し一年間の無病息災を祈るという。
この大数珠の大回転が特色であり、中心行事である。
念仏が終わると、伊勢大神楽系の継の神楽が奉納される。
一、剣の舞 二、姫の舞 三、幣の舞 四、狂いの舞
五、二上りの舞 六、姫の舞 七、鳥刺しの舞
以上で他に類を見ない多くの特色を持ち、郷土の貴重な民俗文化財として保護するものである。(神奈川県教育委員会掲示より)
能安寺の周辺図
参考資料
- 「山北町史通史編」
- 新編相模国風土記稿