本鏡山常福寺。菅原長員が、その祖父菅原長貞の供養のために創建
常福寺の概要
臨済宗建長寺派寺院の常福寺は、本鏡山と号します。常福寺は、本覚了堂(延文5年1360年寂)が開山となり正和5年(1316)に創建、伝えによれば、文章博士などを務めた菅原長員が、その祖父菅原長貞の供養のために、鎌倉建長寺から本覚了堂を招聘したといいます。その後衰廃したものの、信濃国出身の玉叟珍(永禄6年1563年寂)が中興しています。
山号 | 本鏡山 |
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院号 | - |
寺号 | 常福寺 |
本尊 | 釈迦如来 |
住所 | 相模原市南区新戸2516 |
宗派 | 臨済宗建長寺派 |
葬儀・墓地 | - |
備考 | - |
常福寺の縁起
常福寺は、本覚了堂(延文5年1360年寂)が開山となり正和5年(1316)に創建、伝えによれば、文章博士などを務めた菅原長員が、その祖父菅原長貞の供養のために、鎌倉建長寺から本覚了堂を招聘したといいます。その後衰廃したものの、信濃国出身の玉叟珍(永禄6年1563年寂)が中興しています。
新編相模國風土記稿による常福寺の縁起
(新戸村)常福寺
常福寺
本鏡山と號す、臨済宗(鎌倉建長寺末)開山本覺了堂(正安三年十月二十日卒)
秋葉社(新編相模國風土記稿より)
平成さがみはら風土記稿による常福寺の縁起
常福寺は、新戸のバス停「常福寺」のすぐ近くにある臨済宗建長寺派の寺院です。
『風土記稿』によると、建長寺(鎌倉市)の末寺で、山号を本鏡山といい、開山を本覚了堂*(正安3年(1301)没)としています。なお、同書には記載されていませんが、釈迦如来を本尊としています。
寺伝によれば、当寺は代々知識人として知られた菅原氏と縁が深く、文章博士などを務めた菅原長員が、その祖父菅原長貞の供養のために、正和5年(1316)に鎌倉の建長寺より本覚了堂を招き、その末寺として開いたと伝えています。
また、その後、衰微したものを信濃国出身の玉叟珍(永禄6年(1563)没)が中興したとしています。
当寺には様々な史料が残されていますが、特に天正12年(1584) の北条氏直の判物状や、鎌倉仏師として知られた後藤四郎兵衛藤原義貴の作による地蔵菩薩立像などが注目されます。
また、江戸時代には寺小屋も開かれ、後には「新戸学校」も開かれています。
境内には昭和田年に「かながわの名木100選」に選ばれた「シパの木」があります。この木は実際はクスノキ科のタブノキのことですが高きが20m、胸高周囲が4,7m、推定樹齢400年という名木として知られています。
*当寺の記録では延文5年(1360)とある。(平成さがみはら風土記稿より)
常福寺の周辺図
参考資料
- 新編相模国風土記稿
- さがみはら風土記稿