中沼薬師堂。南足柄市中沼にある寺院

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中沼薬師堂。市指定文化財の薬師如来像・日光月光菩薩像

中沼薬師堂の概要

寺院の中沼薬師堂は、東光山小泉寺と号します。中沼薬師堂は、寛弘8年(1011)に創建、東光山小泉寺と号していたと伝えられ、本尊の薬師如来像、脇侍の日光菩薩像は平安時代中期~末期の作と推定されています。江戸期には一寺をなしておらず、薬師堂と記載され、玉傳寺の管理下にありました。現在は中沼自治会が管理しています。

中沼薬師堂
中沼薬師堂の概要
山号 東光山
院号 -
寺号 小泉寺
本尊 薬師如来像
住所 南足柄市中沼58-2
宗派 -
葬儀・墓地 -
備考 -



中沼薬師堂の縁起

中沼薬師堂は、寛弘8年(1011)に創建、東光山小泉寺と号していたと伝えられ、本尊の薬師如来像、脇侍の日光菩薩像は平安時代中期~末期の作と推定されています。江戸期には一寺をなしておらず、薬師堂と記載され、玉傳寺の管理下にありました。現在は中沼自治会が管理しています。

中沼薬師堂しおりによる中沼薬師堂の縁起

中沼薬師堂
薬師堂(正式名称は東光山小泉寺)寛弘八年(1011年)建立。現在の建物は天明四年(1784年)に建設。本尊は薬師如来坐像であり両脇に日光・月光菩薩立像を配した薬師三尊となっています。通常は秘仏とされ屋根のついた厨子の中におられます。(薬師如来、日光菩薩は建立時、月光菩薩は約300年前に造られたもので、それぞれ南足柄市の指定文化財になっています。)御開帳は12年ごとの寅年の4月12日前後7日間。他に前立仏、四天王、十二神将軍像などがまつられています。又、眼病にご利益があるとされ地域の人々の信仰を集めています。(中沼薬師堂しおりより)

新編相模國風土記稿による中沼薬師堂の縁起

(中沼村)
薬師堂
寛弘八年の起立と云、東光山小泉寺と號す、本尊は(長二尺七寸行基作、)和泉式部の守護佛と傳ふ、
△熊野社。第六天社。牛頭天王社
△庵。守僧の居所とす、(新編相模國風土記稿より)


中沼薬師堂所蔵の文化財

  • 木造薬師如来坐像
  • 木造日光、月光菩薩立像

木造薬師如来坐像・木造日光、月光菩薩立像

薬師如来座像は後の補修部分があるものの、頭体部は平安時代中頃から末にかけて作成されたと考えられています。像高91.8cm、彫眼、榧と桧を素材とした素木の一木造です。三角形の鼻に突出した口を持つ顔つき、高い肉髻などが伊勢原市の宝城坊(日向薬師)薬師如来坐像によく似ており、地域的にも近いことから、両像の関係が密接であると考えられています。
薬師三尊像の脇侍のうち、日光菩薩立像は像高110cmで彫眼、彩色の一木造です。薬師如来よりは少し新しい平安時代の作と考えられています。月光菩薩立像は像高111cm、彫眼、肉身漆箔、着衣は彩色と考えられる寄木造です。その造形は硬く、日光菩薩にあわせて江戸時代に作った模古作と考えられています。
なお薬師如来坐像は損傷が激しく、また膝部分の補修が上体と均整がとれていないことから、平成二十年から二十一年にかけて大規模な修復を行っています。(南足柄市教育委員会掲示より)

中沼薬師堂の周辺図


参考資料

  • 新編相模國風土記稿
  • 「南足柄市史」