東叶神社。浦賀が元禄5年東西に分村・東浦賀の総鎮守
東叶神社の概要
東叶神社は、横須賀市東浦賀にある神社です。東叶神社は、神明社の鎮座していた明神山(当地)に西浦賀の叶神社を正保元年(1645)に勧請、浦賀が元禄5年(1692)東西に分村した際に東浦賀の総鎮守としたといいます。明治6年には村社に列格・神饌幣帛料共進神社に指定されています。当社の鎮座する明神山は、北條氏康が浦賀城として利用した他、勝海舟が日米修好通商条約のために渡航する前に当地で断食水垢離をしたといいます。
社号 | 叶神社 |
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祭神 | 誉田別尊 |
相殿 | 保食命、素戔嗚尊 |
境内社 | 厳島神社、東照宮、神明社 |
祭日 | 9月第二日曜日、5月5日蘇鉄まつり |
住所 | 横須賀市東浦賀2-21-2 |
備考 | 旧村社 |
東叶神社の由緒
東叶神社は、神明社の鎮座していた明神山(当地)に西浦賀の叶神社を正保元年(1645)に勧請、浦賀が元禄5年(1692)東西に分村した際に東浦賀の総鎮守としたといいます。明治6年には村社に列格・神饌幣帛料共進神社に指定されています。
神奈川県神社誌による東叶神社の由緒
養和元年(一一八一)石清水八幡宮を勧請し、源家の復興を発願したが、文治二年(一一八六)源頼朝公は願成就のさいに神号を叶大明神と改めた。明治六年村社となり同年神饌幣帛料共進神社に指定された。(神奈川県神社誌より)
新編相模国風土記稿による東叶神社の由緒
(東浦賀)
明神山
湊口にあり登二町、叶明神鎮座す、古は下田山と云ふ、こは北條氏分國の頃豆州下田の領主、此山に要害を構へしよりの唱なり、又一に伊勢山と呼は神明宮を(叶明神の地主神なり)祀りしより起れり、
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叶明神社
總鎮守なり、明神山にあり(拝殿は山下にあり)祭神は應神天皇本地佛彌陀を安ず、正保元年九月十九日西浦賀の本社を勧請し、牛頭天王・船玉明神を合祀し、例祭九月十五日(西浦賀と隔年なり)
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神明宮
地主神なり
末社。稲荷 諏訪 金毘羅 秋葉 辨財天 護摩堂 不動を安ず(長一尺三寸智證作、)
別當永神寺。耀眞山階寶院と號す、當山修験(醍醐三寶院末)鎌倉・三浦・武州久良岐三郡中修験二十院の觸頭を勤む(延享元年三月免許あり)開山と俊明(永正元年三月十日寂す)中興を傳仁(寛永五年二月六日寂す)と云ふ、寛延元年より當社の別當となれりと云ふ、 (新編相模国風土記稿より)
境内掲示による東叶神社の由緒
東叶神社
祭神は、京都の石清水八幡宮と同じ応神天皇(第十五代の天皇)です。
この神社は、養和元年(一一八一)八月十五日、高雄山神護寺の僧文覚が、源氏の再興を願って石清水八幡宮の霊を迎えたことに始まるといわれ、その後、源頼朝によって、その願いが叶ったことから叶大明神の名で呼ばれるようになったと伝えています。また、このほか新編相模国風土記稿などには、この神社に関する記事が載っています。
神社の裏山を明神山と呼び、標高は約五十メートルです。
後北条氏の頃、しばしば房総半島の里見水軍が、三浦半島に攻撃をかけてきましたので、それを防ぐために、この明神山に水軍を配置しました。山頂には、この神社の奥宮があり、その左手に「勝海舟断食の場」の標柱が立っています。
明神山の素晴らしさは、よく保全された自然林で、木々の種類も豊富なことです。特にウバメガシの自生は、県内でもこの明神山と城ヶ島だけで、ここが分布の北限とされています。この学術的に貴重な明神山一帯は、「県指定天然記念物・叶神社の社叢林」となっています。(境内掲示(境内掲示より)
東叶神社所蔵の文化財
- 勝海舟断食の碑
- 浦賀城址
- 叶神社の社叢林(県指定天然記念物)
勝海舟断食の碑
万延元年(一八六〇)、時の幕府は日米修好通商条約の交渉のため米国へ使節を派遣した。米国軍艦ポーハタン号の随行船として咸臨丸の船将に任命された勝海舟は壮挙に先立ち当社を訪れ太平洋横断航海の一路平安について叶神社の加護を祈念し併せて自己の精神的肉体的荷重等の克服を謀るため社内にある井戸水で潔斎水垢離を済ませ修行用の法衣に心身を整へ千古鬱蒼とした樹林に囲まれた奥の院の社前のこの場所を選んで座禅を組み断食修行を行なったのである。(境内掲示より)
浦賀城址
戦国時代に小田原北条氏が三浦半島を支配した時に房総里見氏からの攻撃に備えて北條氏康が三崎城の出城として築いたといわれています。
水軍の根城として山頂には空堀など城の遺構が残り、下田山・城山とも呼ばれていました。
昔から眺望の素晴らしい所で対岸に房総半島、正面に浦賀八勝の一つ燈明堂がみられます。この明神山は自然の社叢林で県の天然記念物に指定されウバメガシ分布の北限とされています。嘉永六年(一八五三)ペリーのくろふね四隻が浦賀沖に来航した時、眼下の左辺りに停泊しました。(浦賀行政センター市民協働事業・浦賀単包くらぶ掲示より)
東叶神社の周辺図