海前寺。市指定文化財の阿弥陀三尊像
海前寺の概要
時宗寺院の海前寺は、供養山三寶院と号します。海前寺は、厳阿上人が永和2年(1376)に開山したと伝えられます。当寺本尊の木造阿弥陀三尊立像は、室町時代の作で逗子市文化財に指定されています。
山号 | 供養山 |
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院号 | 三寶院 |
寺号 | 海前寺 |
住所 | 逗子市小坪5-10-17 |
宗派 | 時宗 |
葬儀・墓地 | - |
備考 | - |
海前寺の縁起
海前寺は、厳阿上人が永和2年(1376)に開山したと伝えられ、小坪西町神明宮を境内に所有していました。
新編相模国風土記稿による海前寺の縁起
(小坪村)
海前寺
供養山三寶院と號す時宗(藤沢清浄光寺末、)三尊彌陀を置く(春日作長二尺三寸脇士各長一尺五寸)
△神明宮 (新編相模国風土記稿より)
「逗子町誌」による海前寺の縁起
西町
海前寺
供養山三寶院と號す、時宗(藤沢清浄光寺末)永和二年嚴阿上人の開基、後衰へたれども二十代より法燈明らかにして今四十三世に至る。
文久二年十二月十七日の火災にて本堂庫裡共に焼失、只鐘樓を餘すのみ、寺寶の烏有に歸せしもの多く今の本堂は慶應元年の建立。 (「逗子町誌」より)
海前寺所蔵の文化財
- 海前寺木造阿弥陀三尊立像(逗子市指定重要文化財)
海前寺木造阿弥陀三尊立像
海前寺は時宗に属する古刹ですが、(1376)厳阿上人の開山であると伝えられています。
ご本尊は阿弥陀如来立像に観音・勢至両菩薩立像を配した三尊像、脇侍の菩薩像はかなり強く腰をかがめ西方極楽浄土から迎えにこられた時の姿を動的に表現しています。
造立時期を示す記録はありませんが、室町時代に造られた作品です。この地方の中世彫刻や阿弥陀信仰などを知る上できわめて貴重な作例であり、市の重要文化財に指定されています。
寺の周辺に室町時代の五輪塔が散在し、裏山には、永正十年三浦氏と北条氏が激しい戦いをまじえた住吉城があります。(逗子市教育委員会掲示より)
海前寺の周辺図
参考資料
- 新編相模国風土記稿
- 「逗子町誌」