戸田山延命寺。山角次郎右衛門勝長開基
延命寺の概要
高野山真言宗寺院の延命寺は、戸田山普賢院と号します。延命寺は、良覚法印が大永5年(1525)に創建したと伝えられ、万治3年(1660)に院号の称号を許可されたといいます。本尊千手観音は江ノ島護摩堂に安置されていたものだと伝えられる他、江戸期には戸田八幡神社・戸田菅原神社の別当を勤めていました。
山号 | 戸田山 |
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院号 | 普賢院 |
寺号 | 延命寺 |
本尊 | 千手觀音像 |
住所 | 厚木市戸田1099 |
宗派 | 高野山真言宗 |
葬儀・墓地 | - |
備考 | - |
延命寺の縁起
延命寺は、良覚法印が大永5年(1525)に創建したと伝えられ、万治3年(1660)に院号の称号を許可されたといいます。本尊千手観音は江ノ島護摩堂に安置されていたものだと伝えられる他、江戸期には戸田八幡神社・戸田菅原神社の別当を勤めていました。
新編相模国風土記稿による延命寺の縁起
(戸田村)
八幡宮別當延命寺
戸田山普賢院と號す(萬治三年院號を免さる、)古義眞言宗(平塚新宿等覺院末、)千手觀音を本尊(古は江ノ島上ノ宮護摩堂に安ぜしを、後爰に移せし由、蓮華座に記せり、)とす、(新編相模国風土記稿より)
厚木市史史料による延命寺の縁起
戸田山普賢院延命寺(中戸田1099)
古くは八幡宮の別当寺であった。八幡宮の社地は相模川べりに在りしが、大水の時度々崩れしに依り文政十一年十一月別当寺境内に移す。戸田山普賢院延命寺の院号は万治三年なり。(新編相模国風土記稿)
大永五年乙酉八月当寺建立開祖良覚法印(以下過去帳に依る)大阿遮梨法印良覚天文七戊戌年三月二十五日遠州の産ニ而旧寺エ皈住シテ寂ス其寺号並に氏族等取調候へ共手懸無之相分不申天保五甲午年二月改之四十三世上人快山(「厚木市史史料」より)
延命寺所蔵の文化財
- 木造菩薩立像二躯(厚木市指定有形文化財)
木造菩薩立像二躯
木造菩薩立像二躯
延命寺の本堂内本尊両脇に安置される菩薩立像で、両像は一組とみられ、三尊像の脇侍であったと考えられますが、明確な尊名は不詳です。また延命寺は一五二五年の創建と伝えられますが、本像はそれよりはるかに古く、元々の安置場所などは明らかではありません。
平成十二・十三年に全面解体の文化財修理が行われ、造立当初の像容に近づけた形で修復されました。
両像は、通常の菩薩像の形をとるもので、頭に宝髻を結い、上半真に条帛、下半身に裳を着ける姿につくられています。一木造りで彫眼、像表面は修理後、古色仕上げを施してあります。
両像間には多少作風の違いはありますが、共に優しい顔立ちや、全体の穏やかな肉付け、浅く彫られた衣文など、一般に藤原様と呼ばれる平安時代後期の特徴をよく示しています。作行きは、地方作としては洗練性もあり、まとまりのよい出来となっています。
制作時期は十二世紀と考えられます。(厚木市教育委員会掲示より)
延命寺の周辺図
参考資料
- 新編相模国風土記稿
- 「厚木市史史料」