旧丹羽家腕木門|豊島区駒込の史跡

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旧丹羽家腕木門|旧津藩藤堂家下屋敷の裏門

旧丹羽家腕木門の概要

旧丹羽家腕木門は、豊島区駒込にある名所史跡です。旧丹羽家腕木門は、かつて染井通り向い側にあった藤堂家下屋敷の裏門で、明治維新後に当地の丹羽家が所有していた腕木門です。建築年は不詳ながら、墨書銘から弘化4年(1847)に修補されていることからそれ以前に建築され、その後、丹羽邸内への移築、当地への曳屋、と2度移動しています。江戸時代に建築された腕木門としては区内唯一であることから豊島区有形文化財に指定されています。

旧丹羽家腕木門
旧丹羽家腕木門の概要
名所旧跡名 旧丹羽家腕木門
みどころ 豊島区指定有形文化財
入場時間 -
入場料 無料
住所 豊島区駒込3-12-8門と蔵のある広場
備考 -



旧丹羽家腕木門について

旧丹羽家腕木門は、かつて染井通り向い側にあった藤堂家下屋敷の裏門で、明治維新後に当地の丹羽家が所有していた腕木門です。建築年は不詳ながら、墨書銘から弘化4年(1847)に修補されていることからそれ以前に建築され、その後、丹羽邸内への移築、当地への曳屋、と2度移動しています。江戸時代に建築された腕木門としては区内唯一であることから豊島区有形文化財に指定されています。

境内掲示による旧丹羽家腕木門について

旧丹羽家の門は、腕木と呼ばれる梁で屋根を支える腕木門と呼ばれる形式で、簡素な構造ですが、格式のある門です。
この門の建築年代を明らかにする記録はありませんが、言い伝えによれば、染井通りをはさんで向かい側にあった津藩藤堂家下屋敷の裏門を移築したといわれています。
当初の部材と考えられる親柱には和釘が使用され、風蝕もかなり進んで木目が深く浮き出ています。また、都内の類例と比較して大名家の裏門として使われても不思議はない規模と構造といえます。解体工事の過程で墨書が発見され、弘化四年(一八四七)、嘉永六年(一八五三)、安政六年(一八五九)の三回修理が行われていたことが判明しました。少なくとも建築年代は弘化四年以前ということになります。
この門が丹羽家の所有になった年代ははっきりしていませんが、当時は、染井通りに面して建っており、丹羽邸内に移築した時と、染井通り側にマンションを建てるため現在地に曳屋(建物を解体しないで、そのまま場所を移動させること)した時の少なくとも二回移動しています。また昭和一〇年(一九三五)の主屋の増改築とあわせて門の屋根を、杮葺き(薄い木片を重ねて敷きつめた屋根)から瓦葺きに葺き替えたといわれています。
一方、親柱、冠木、袖戸、両開き扉などは杉で当初からの部材と考えられ、板扉に見られる技法から、建築当時の姿を概ね残しているといえます。
江戸時代の腕木門としては区内で唯一の事例であり、植木の里・駒込の歴史を物語るシンボル的存在として長年地域の人々に親しまれています。
このように、染井の植木屋として活躍した旧家の遺構である旧丹羽家腕木門は、豊島区における貴重な文化遺産であることから、平成一九年八月三日、豊島区指定有形文化財になりました。(境内掲示より)


旧丹羽家腕木門の周辺図