旧丹羽家住宅蔵|豊島区駒込の史跡

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旧丹羽家住宅蔵|昭和初期の鉄筋コンクリート造りの蔵

旧丹羽家住宅蔵の概要

旧丹羽家住宅蔵は、豊島区駒込にある名所史跡です。旧丹羽家住宅蔵は、染井の植木屋として活躍した当地の旧家丹羽家の八代目茂右衛門が、昭和11年に建築した鉄筋コンクリート造りの蔵です。鉄筋コンクリート造りながらも、昭和初期の木造技法などが取り入れられていることなどから、国有形文化財に登録されています。

旧丹羽家住宅蔵
旧丹羽家住宅蔵の概要
名所旧跡名 旧丹羽家住宅蔵
みどころ 国登録有形文化財
入場時間 -
入場料 無料
住所 豊島区駒込3-12-8門と蔵のある広場
備考 -



旧丹羽家住宅蔵について

旧丹羽家住宅蔵は、染井の植木屋として活躍した当地の旧家丹羽家の八代目茂右衛門が、昭和11年に建築した鉄筋コンクリート造りの蔵です。鉄筋コンクリート造りながらも、昭和初期の木造技法などが取り入れられていることなどから、国有形文化財に登録されています。

境内掲示による旧丹羽家住宅蔵について

この蔵は、丹羽家に残されていた記録から、昭和一一年(一九三六)の建築であることがわかっています。もとは主屋の北側に木造二階建ての蔵が建っていましたが、八代目茂右衛門が、九代目の結婚の際に主屋の増改築とあわせて、鉄筋コンクリート造りのこの蔵に建て直しました。
蔵は出入口を東面に設け、増築した六畳間と廊下で主屋とつながっていました。出入口の観音開きの鉄製扉の内側に家紋(五三桐)が付いています。また扉上部と両脇の柱に大理石が貼られるなど、装飾に気を使っている点が注目されます。
外壁は、昭和初期の土蔵や店舗などに多く用いられた工法である、モルタル下地に大理石の砕石粒洗出し仕上げになっています。また外壁の腰巻、水切り、雨押え、鉢巻などの細部や、窓の庇の銅板葺きなどに職人の丁寧な仕事ぶりがうかがえます。
蔵の内部は、地下に収納庫を設け、床板には槍板を用い、壁はモルタル下地に漆喰塗りで仕上げています。特に一階の天井や梁(はり)化粧面取りなどに当時の左官技術がよく表れており、意匠的にも優れています。
このように、旧丹羽家蔵は、当時としては珍しい鉄筋コンクリート造でありながらも、細部には職人の技術や建築主のこだわりが見られます。建築後七〇年以上が経過していますが、昭和初期の建築当時の姿を残しています。
これらの点が評価され、平成二十年(ニ〇〇八年)三月七日に国の登録有形文化財建造物になりました。(境内掲示より)


旧丹羽家住宅蔵の周辺図