覺了山世尊院|御府内天台宗五箇院室
世尊院の概要
天台宗寺院の世尊院は、覺了山清浄寺と号します。世尊院は、綱吉の妾お傳の方(小谷忠榮)を開基として、贈権僧正恢堂恵宏が開山となり、三ノ丸様御殿を拝領して元禄8年(1695)創建、寺領200石の御朱印状を拝領、御府内天台宗五箇院室の一つだったといいます。上野王子駒込辺三十三ヶ所観音霊場26番です。
山号 | 覺了山 |
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院号 | 世尊院 |
寺号 | 清浄寺 |
住所 | 文京区千駄木1-22-30 |
宗派 | 天台宗 |
葬儀・墓地 | - |
備考 | - |
世尊院の縁起
世尊院は、綱吉の妾お傳の方(小谷忠榮)を開基として、贈権僧正恢堂恵宏が開山となり、三ノ丸様御殿を拝領して元禄8年(1695)創建、寺領200石の御朱印状を拝領、御府内天台宗五箇院室の一つだったといいます。
「本郷區史」による世尊院の縁起
世尊院
千駄木町に在り、延暦寺末、覺了山清浄寺と號し、府下天台五箇院室の一である。元禄八年綱吉の妾お傳の方法名小谷忠榮の爲に開創せし處で、足立郡上常光村に於て寺領二百石を附せられた。忠榮夫婦の墓は他に移されて今は存在しない。(「本郷區史」より)
「東京名所図会」による世尊院の縁起
世尊院は同町(本郷千駄木町)十三番地にあり。天台宗にして覺了山と號し。清浄寺と稱す。近江國延暦寺の末なり。開基は小谷忠榮の女。開山は贈権僧正恢堂恵宏。元禄八年の創建と云。門は瓦葺素木造りにて。標札に「波母山圓潤」とあり。現時の住持なるべし。
門内に老櫻の朽し僅かに一枝を萠蘖し。尚ほ一縷の生気を存するあり。もとは世尊院の櫻とて。名高かりしよし。本堂は銅葺にて北面す。
當寺は府下天台五箇院室の一にして。徳川五代の将軍綱吉公の経営せる所に係る。而して本堂には定朝の作釋迦三尊の坐像幷に不動明王の立像を安置せり。
墓地には二大石碑ありて魏立し。刻文左の如し。
覺了院殿真岸圓珠居士 延寶九辛酉載七月二十七日
高覺院殿月峯圓智大姉 元禄九丙子年九月十日
武江圖説に云。開山権僧都恵宏。御朱印二百石。札所寫正観音安置。或人云。當寺本堂は三丸様御殿を賜て建之。故に寺院造りにあらず。棟低く銅瓦也とぞ。又佛具残らず葵御紋附也。或云。當寺は徳松君外祖母葬送の所也。當寺は初法花宗。常憲公の代天台改宗。(東京名所図会より)
世尊院の周辺図
参考資料
- 「本郷區史」
- 東京名所図会