神保山西福寺|船橋市指定文化財の毘沙門天立像・板碑
西福寺の概要
船橋市大神保町にある日蓮宗寺院の西福寺は、神保山と号します。西福寺の創建年代等は不詳ながら、日国が開山、13世本隆院日覚の代の正徳3年(1722)には三十番神宮を建立したといいます。当寺の木造毘沙門天立像、及び板碑(弘安9年銘)は船橋市有形文化財に指定されています。
山号 | 神保山 |
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院号 | - |
寺号 | 西福寺 |
住所 | 船橋市大神保町282 |
宗派 | 日蓮宗 |
葬儀・墓地 | - |
備考 | - |
西福寺の縁起
西福寺の創建年代等は不詳ながら、日国が開山、13世本隆院日覚の代の正徳3年(1722)には三十番神宮を建立したといいます。
「船橋市史」による西福寺の縁起
(大神保村)
西福寺
日蓮宗。『法華本末」に法華経寺末寺として載せられている。『県寺明細』には由緒不詳とある。現在残る棟札によれば、十三世本隆院日覚の時代、正徳三年(一七二二)に三十番神宮を建立している。(「船橋市史」より)
「千葉縣千葉郡誌」による西福寺の縁起
西福寺
豊富村神保に在り。日蓮宗一致派に屬し、法華經寺の末寺なり。本尊は釋迦佛上行菩薩浄行菩薩多寶佛安立行菩薩の五尊像なり。境内坪數五百三十坪凡て官有地なり。境内に佛堂貮宇あり、祖師堂鬼子母堂と稱す。境外所有地一町五反七畝四歩を算し、檀徒人員二百八十一人を數ふ。(「千葉縣千葉郡誌」より)
「日蓮宗寺院大鑑」による西福寺の縁起
(大観には開山日国とある)(「日蓮宗寺院大鑑」より)
西福寺の縁起
- 木造毘沙門天立像(船橋市指定有形文化財)
- 板碑(船橋市指定有形文化財)
木造毘沙門天立像
西福寺の木造毘沙門天立像は、寄木造り彩色仕上げで、玉眼を入れています。江戸時代初期の作と推定されますが、端正な彫りの像です。左手と手のひらの宝塔、光背は後補のようですが、右手に持つ三叉戟は製作当初のものとみられます。胡粉地に施した彩色はほぼそのまま残っています。
この像はもとは境内の毘沙門堂にありました。像の胎内には、明暦2(1656)年に刷られた法華経が納められています。(船橋市教育委員会掲示より)
「千葉縣千葉郡誌」による西福寺の縁起
西福寺の板碑は粘板岩製で、蓮座上に阿弥陀如来の種子であるキリーク、蓮座の下の方に花瓶が彫ってあり、その間に「弘安九年七月十五日」(1286年)と刻まれています。
この板碑は、今のところ市内で2基しか発見されていない鎌倉時代弘安末年までのもののうちの1基です。下部を失っていますが、保存状態がよく、種子の薬研彫も深く見事です。江戸時代に西福寺と合併した円福寺の跡(西福寺から西へ約200m)から出土したといわれています。(船橋市教育委員会掲示より)
西福寺の周辺図
参考資料
- 「船橋市史」
- 「千葉縣千葉郡誌」
- 「日蓮宗寺院大鑑」