西福寺|佐倉市坂戸にある浄土宗寺院

猫の足あとによる千葉県寺社案内

金剛山西福寺|千葉県指定無形民俗文化財の坂戸の念仏踊

西福寺の概要

佐倉市坂戸にある浄土宗寺院の西福寺は、金剛山願正院と号します。西福寺は、永仁年間(1293-1299)に千葉新介胤正が領内7ヶ所に建立した阿弥陀堂が起源とも伝えられ、高連社良栄上人が応安年間(1368-1374)に開山したといいます。当寺に伝わる「坂戸の念仏踊」は当寺開山良栄上人より伝承されていると推定され、千葉県無形民俗文化財に指定されています。境内大師堂は、千葉寺十善講八十八所75番です。

西福寺
西福寺の概要
山号 金剛山
院号 願正院
寺号 西福寺
住所 佐倉市坂戸1090
宗派 浄土宗
葬儀・墓地 -
備考 -



西福寺の縁起

西福寺は、永仁年間(1293-1299)に千葉新介胤正が領内7ヶ所に建立した阿弥陀堂が起源とも伝えられ、高連社良栄上人が応安年間(1368-1374)に開山したといいます。明治維新後の明治7年には弥富尋常高等小學校の坂戸分教場が当寺に設けられ、明治41年まで供用されていました。

「印旛郡誌」による西福寺の縁起

西福寺
阪戸村字谷原にあり金剛山願正院と號す浄土宗鎮西派に屬する寺院にして清光寺の末寺なり本尊を阿彌陀如来とす開山は高連社良榮上人にして應安年間千葉定胤の建立なりと云ふ什寶として永觀二年二月十五日比叡山に於て眞心僧都が夕陽を見つつ書かれしと云ふ阿彌陀佛三幅對の像を存すその初め上人のこれを開くや踊躍念佛を始め國俗となる坂戸念佛といふもの之なり今猶大師参りと稱し老媼數百群を成して集り飲み且食ひ謡ひ且躍るこれ其の遺風なるべし堂宇間口七間半奥行八間庫裏間口七間半奥行五間境内九百九十六坪(民有地第一種)あり檀徒三百二十五人を有し志津村稱念寺住職染井善随兼務す管轄廳まで三里三十九間あり又境内に堂宇二あり即
一、大師堂 弘法大師を本尊とす由緒不詳建物は間口四尺奥行三尺
二、地蔵堂 地蔵菩薩を本尊とす由緒不詳建物は間口二間奥行二間(寺院明細帳)
〇(新撰佐倉風土記云)在阪戸村舊風土記曰應安中良栄上人開之始踊躍念佛而爲國俗謂之阪戸念佛也安惠所畫阿彌陀佛(「印旛郡誌」より)

「佐倉市史」による西福寺の縁起

西福寺(坂戸)
浄土宗清光寺末であった。本尊は阿弥陀如来。坂戸村明細帳(延享三年寅七月・下総国印播郡寒川筋坂戸村明細帳)
一、浄土宗西福寺。下総国印旛郡本佐倉町清光寺末寺。本尊阿弥陀如来恵心作、開山良栄上人、応安年中開記(基)、二月十五日、十月十五日講中寄合大念仏毎年御座候。
一、地蔵堂壱ケ所、三間四面、西福寺支配。
一、塚五ケ所、三拾三年目念仏供養塚、右同断、西福寺支配(他略)
右の明細帳によれば、当寺の開創を応安年間(一三六八~)であるとし、一説には開基を千葉定(貞)胤、開山を高連社良栄上人としている(郡誌)。兎に角一四世紀の中頃に千葉氏の信仰から建立されたものであろう。この西福寺の阿弥陀堂は千葉胤正の建立という伝承がある。それは応安年間から七十年程前の永仁年間に千葉新介胤正が千葉氏の領内七ケ所に阿弥陀堂を建て、千葉宗家の夫人が入水他界(治承年間)したのを弔ったというのである(このことは既に「武石氏の勢力」のところで述べて置いた)。
これは千葉郡誌(大正十五年刊)の記載であるが、出典も不明ではあるが参考としてあげて置く。右の七ケ寺の一つに”印播郡坂戸村阿弥陀堂”が入っている。
さて、西福寺の創立については右記のように永仁年間、或は応安年間ともいわれるが、何れにしても千葉氏の加護のもとに、宗祖法然による阿弥陀仏の念仏を唱えることにより衆生が極楽浄土にゆけるとの信仰が武士階級にとどまらず当地方の農民の信仰をもつかみ、一三世紀の末頃にはその信仰がひろまり始めたものと見てよいだろう。
次に坂戸の念仏であるがこれは”坂戸念仏=踊躍念仏とて近在にも有名であった。郡誌にも”今猶大師参りと称し老媼百群を成して集り且つ食ひ謡ひ且躍るこれ其遺風なるべし”と述べている。この踊躍念仏が古くから行われたということは当寺が浄土宗ではあるものの、一辺上人による時宗の要素が入っていたものと考えられる。(「佐倉市史」より)


西福寺所蔵の文化財

  • 坂戸の念仏踊(千葉県指定無形民俗文化財)
  • 坂戸西福寺のイチョウ(佐倉市保存樹)

坂戸の念仏踊

応安年間(一三六八~七五)に高蓮社良榮上人によって開山された浄土宗の金剛山願正院西福寺に伝わる念仏で、「踊躍念仏」といわれています。この念仏は、浄土信仰を広めるために、良栄上人によってもたらされ、今日まで伝えられてきたものと考えられています。
現在は、三十三年に一度開催される「大十夜」の際に奉納される念仏踊り「あさがお」と「しもつけ」を主とした踊りとお唱えが坂戸の人々によって伝承されています。
「大十夜」では、境内での「踊躍念仏」の奉納後、万灯を先頭に当寺から一キロ先にある念仏塚まで行進し、塚の前で再度奉納されます。(千葉県教育委員会・佐倉市教育委員会掲示より)

坂戸西福寺のイチョウ

このイチョウは、平成15年開催の第54回全国植樹祭記念事業「ちば・ふれあいのみどり100選」のひとつに」、植樹祭千葉県実行委員会より選定されました。(佐倉市公園緑地課掲示より)

西福寺の周辺図


参考資料

  • 「印旛郡誌」
  • 「佐倉市史」