鶴谷八幡宮|館山市八幡の神社

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鶴谷八幡宮|安房国総社として創祀、例大祭やわたんまち

鶴谷八幡宮の概要

鶴谷八幡宮は、館山市八幡にある神社です。鶴谷八幡宮は、安房国国府(府中)に安房国総社として創建、養老元年(717)以後に当地へ奉遷したといいます。いつしか八幡宮を祀る神社となり、源頼朝や里見義通等から崇敬され、江戸時代には徳川家光より171石の社領を安堵されています。明治6年郷社に、昭和15年県社に列格、現在も旧安房国域内の14社の神輿が当社に集まり、例大祭やわたんまちが盛大に斎行されています。

鶴谷八幡宮
鶴谷八幡宮の概要
社号 鶴谷八幡宮
祭神 品陀和気命、帯中津彦命、息長帯姫命
相殿 -
境内社 若宮八幡神社
例祭日 例大祭:やわたんまち9月14・15日
住所 館山市八幡68
備考 旧県社、旧安房国総社



鶴谷八幡宮の由緒

鶴谷八幡宮は、安房国国府(府中)に安房国総社として創建、養老元年(717)以後に当地へ奉遷したといいます。いつしか八幡宮を祀る神社となり、源頼朝や里見義通等から崇敬され、江戸時代には徳川家光より171石の社領を安堵されています。明治6年郷社に、昭和15年県社に列格、現在も旧安房国域内の14社の神輿が当社に集まり、例大祭やわたんまちが盛大に斎行されています。

「千葉県神社名鑑」による鶴谷八幡宮の由緒

平安朝の中期に安房国の総社として国府村(今の三芳村府中)に創建され、国司自ら幣帛を捧げて祭祀を執り行ったと伝えられる。後、鎌倉時代、八幡宮として当地に遷座された。武家時代となり殊に領主里見氏の篤く崇敬するところとなり、第三代の領主里見義通をはじめ代々の領主が社殿を修築奉納し、また社領を寄進した。徳川幕府も里見氏ににならい、世々の将軍は朱印地一七一石余を寄進した。明治六年郷社に列せられ、また昭和一五年県社に昇格した。昭和五三年現社名に変更。(「千葉県神社名鑑」より)

「稿本千葉縣史」による鶴谷八幡宮の由緒

八幡神社
同郡(同上)北條町大字八幡字宮谷に在り、境内千二百六十九坪、譽田別尊を祭り帶中彦尊、息長帯姫尊を合祀す。社傳に云ふ、往古豊前國宇佐太神を勸請して社殿を國府に建てしが養老元年郡司紀伴人等此の地に奉遷すと、安房郡舊府中村に今猶故趾を存せり。源賴朝・里見義通等社殿を造營修繕し土地幣帛を寄附す、寛永十三年十一月徳川家光先規に仍り社領百七十一石五斗の地を寄附す、明治六年郷社に列せらる。祭日は毎年九月十四日・十五日にして、此の日安房神社外八社(洲宮神社・下立松原神社・手力雄神社・山宮神社・山荻神社・小幡神社・高皇産霊神社・莫越山神社)に神輿本社に會し海濱に於て禊事を修す、本州第一の大祭たり、攝社一座・末社四座あり。明治三十九年十二月幣帛料供進指定(「稿本千葉縣史」より)


鶴谷八幡宮所蔵の文化財

  • 鶴谷八幡神社本殿(館山市指定有形文化財)
  • 鶴谷八幡神社棟札 3枚(館山市指定有形文化財)
  • 鶴谷八幡神社百態の龍(館山市指定有形文化財)
  • 刀銘「守家」(館山市指定有形文化財)
  • 鶴谷八幡宮の筒粥神事(館山市指定無形民俗文化財)
  • 安房やわたんまち(千葉県指定文化財)

「八幡神社の文化財」

養老元年創建と伝えられる品陀和気命他二柱を祀る鶴谷八幡神社は関東の三鶴八幡として鎌倉八幡と並んで知られている。往古より武神として、又、大衆神として厚く尊崇され現在でも安房地方での最も参詣人の多い神社である。
本殿は江戸期の作風を残す流れ造りで、享保四年(一七一七)の建立である。(市指定有形文化財)
この社の建築を物語る棟札が永正五年(一五〇八)以降三点残されていて里見氏との関係等も物語っている。(市指定有形文化財)
拝殿向拝の格天井にはめこまれた百態の龍は安房の生んだ名彫刻師・後藤利兵衛義光の爛熟期の作品である。(市指定有形文化財)
本社はもと安房国国府所在の府中にあったものを鎌倉期に現在地に移したといわれ、九月十四・十五日の祭礼には近隣町村から十社の神輿が集まり総社のおもかげを残したにぎわいを見せている。(館山市教育委員会掲示より)

鶴谷八幡宮の筒粥神事

この神事は、一月十四日夕刻から十五日午前中にかけて、農作物の豊凶を占うために行われます。十四日夕方、宮司と責任役員が神前え祭事を行うことからはじまります。世襲により鶴賀本家が、宇土川から取った葦筒と、石臼でひいた三合の米、釜などを参集所に移します。釜に水を入れ、薪に火をつけ、米を入れた二十分後に、束にした葦筒十四本を釜の中に入れ、炊き上げた後、神前に供えます。翌朝八時頃から神事が行われ、宮司が葦筒の入った粥桶を鶴賀本家に渡します。鶴賀本家は、宮司宅で粥の中の葦を取り出し、一から十四まで並べ、筒の中の粥の量によって米、麦など十四品目の農作物の作柄と世情を占います。鶴賀本家と責任役員が、親から子、子から孫へと、この神事を伝えていることに、この神事の特色があります。(館山市教育委員会掲示より)

鶴谷八幡宮の周辺図


参考資料

  • 「千葉県神社名鑑」
  • 「稿本千葉縣史」