幸龍寺|世田谷区北烏山にある日蓮宗寺院

猫の足あとによる東京都寺社案内

妙祐山幸龍寺|徳川家康の祖母が帰依、もと本国寺末触頭、江戸十祖師、昭和2年移転

幸龍寺の概要

日蓮宗寺院の幸龍寺は、妙祐山と号し、玄龍院日春上人によって、徳川家康の祖母正心院殿日幸の帰依により、浜松城外に開山しました。徳川家康の江戸入府に従い、天正19年湯島へ移転、後浅草へ再転しました。江戸時代には150石の寺領を拝領した御朱印寺で、谷中宗林寺、本所法恩寺とともに京本国寺末触頭を勤めたほか、8塔頭を擁し、江戸十祖師の一つにも数えられました。関東大震災で焼失し、昭和2年、当地へ移転しました。

幸龍寺
幸龍寺の概要
山号 妙祐山
院号 -
寺号 幸龍寺
住所 世田谷区北烏山5-8-1
宗派 日蓮宗
葬儀・墓地 -
備考 江戸十祖師、150石の御朱印寺、墓地受付中



幸龍寺の縁起

幸龍寺は、玄龍院日春上人によって、徳川家康の祖母正心院殿日幸の帰依により、浜松城外に開山しました。徳川家康の江戸入府に従い、天正19年湯島へ移転、後浅草へ再転しました。江戸時代には150石の寺領を拝領した御朱印寺で、8塔頭を擁し、江戸十祖師の一つにも数えられました。関東大震災で焼失し、昭和2年、当地へ移転しました。

せたがや社寺と史跡による幸龍寺の縁起

日蓮宗で、妙祐山幸龍寺と号し、玄龍院日春上人によって、徳川家康の祖母正心院殿日幸の帰依により、浜松城外に開山されたと伝えられる。
家康が、江戸城に居を定めたときに神田湯島に移り、のち浅草に移ったが、関東大震災後、当地に移った。
本尊は曼荼羅。
当院に入ると、奥に葵の紋がえがかれる葵の間が目につく。これは開山に伝えられることと関係があるためである。
また、寺宝に「鬼子母神並びに十羅刹女像」がある。これは、家光が誕生のときに、将軍秀忠が、常徳院(秀忠の正室)の御願成就のために寄進されたものであるといわれる。
大書院は、公爵細川護立が邸宅の中に、明治天皇御幸の時新築した建物を移築したもので、狩野派の襖絵がみごとである。
当寺の山門を入り、すぐ右側の堂の中には、加藤清正に関するものが多く、賽銭箱は嘉永7年(1854)のものであるが、じゃのめの紋が大きくえがかれている。また長谷川雪堤書の銘のはいった「清正公出陣の図」など貴重なものである。
墓地には長谷川家の墓、小笠原元子爵家の墓地等がある。(せたがや社寺と史跡より)

世田谷区教育委員会掲示による幸龍寺の縁起

本尊、曼荼羅
玄龍院日春が、浜松城主徳川家康の祖母正心院殿日幸のもとめにより城外にこの寺を建てたのがはじめと伝えられる。
家康が江戸入府のとき神田湯島に、その後浅草に移ったが、関東大震災で焼失、昭和2年現在地に再建した。寺内には、「江戸名所図会」の挿絵画家長谷川雪旦やその子雪堤の墓、雪堤筆の「清正公出陣図」などがある。(世田谷区教育委員会)

御府内寺社備考による幸龍寺の縁起

京都六条本国寺末 浅草不唱小名 妙祐山幸龍寺、境内拝領地7300坪。
御朱印寺領150石。
起立之儀者、天正19年湯島辺ニ而建立之由申伝。其後年月不知、当所へ替地ニ罷成候。
幸龍寺草創起左之通。
1.東照宮様遠州浜松城之砌ハ、しんとうと申所ニ寺御建立被下、朝暮御祈祷被、仰付候。
1.其後駿府江御移被為成候時ハ、さきのみやと申所ニ寺御立被下、御祈祷被、仰付候。
1.其後無程関東江御入国被遊候而、神田湯島ニ寺御立被下、御祈祷仕候。
1.台徳院様御疱瘡被遊候時も、いなけと申所迠参り17日罷仕、御祈祷仕候。其時之御立願ニ法花之三十番神堂御神躯共、御建立被遊被下候。
1.台徳院様乳母御存命之中ハ、月次御祈祷之御礼差上申候。御年礼も御内証ニ而仕候。
1.崇徳院様御懐妊之時も、御祈祷被為仰付。大猷院様御誕生被遊、御願御成就之上、鬼子母神并十羅刹女、御作らせ御寄附被遊候。
1.右之御由緒之候故、開基玄龍院日椿より五代目日章迠、御建立地正月御年礼御内座ニ而、御盃頂戴仕。日章代より中絶仕候得共、第7世日相儀は順性院様御取立之僧ニ有之。依而、住持替之節於御白書院ニ継目御礼申上、壱束一本献上仕候。(以下中略) 塔頭
大泉院。開山本常院日利大徳。天和2年8月28日寂。客殿庫裡2間半6間半。本尊三宝祖師。
延寿院。開山宝蓮日信大徳、慶安2年8月2日寂。開基延寿院殿妙詠日秀大姉、寛永9年7月4日卒。客殿庫裡2間6間。本尊三宝祖師。
鷲山坊。開基正光院日惣聖人、慶長17年2月12日寂。客殿庫裡2間半6間半。本尊三宝祖師。
大教坊。開山常在院日宗大徳、寛永10年7月20日寂。客殿庫裡2間半6間半。稲荷社。
大輪坊。開山大雄院日経大徳、元禄10年4月28日寂。客殿庫裡2間半6間半。大黒天
玄龍坊。開山玄龍院日偆上人、寛永2年5月11日寂。開基霊光院一徳日珠居士、寛永15年8月17日寂。俗名喜多村一徳。客殿庫裡2間半6間半。本尊三宝祖師。
善応坊。開基真龍院日乗上人、元禄10年10月12日寂。客殿庫裡2間6間。本尊三宝祖師。
春碩坊。開基宝泉院日誦覚位、元禄3年3月6日寂。客殿庫裡2間半6間半。本尊三宝祖師。稲荷社。以上甲乙書上。(御府内寺社備考より)


幸龍寺の周辺図