飛木山円通寺|南葛八十八ヶ所霊場
円通寺の概要
天台宗寺院の円通寺は飛木山普門院と号します。円通寺は、応仁元年(1467)に良秀法印を開山として創建したといいます。境内の地蔵尊は、明治初年に曳舟川底から出土したもので、脚気に効験があるとして信仰されたそうです。南葛八十八ヶ所霊場62番札所です。
山号 | 飛木山 |
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院号 | 普門院 |
寺号 | 円通寺 |
住所 | 墨田区押上2-39-6 |
本尊 | 阿弥陀如来 |
宗派 | 天台宗 |
葬儀・墓地 | - |
備考 | - |
円通寺の縁起
円通寺は、応仁元年(1467)に良秀法印を開山として創建したといいます。境内の地蔵尊は、明治初年に曳舟川底から出土したもので、脚気に効験があるとして信仰されたそうです。
新編武蔵風土記稿による円通寺の縁起
円通寺
天台宗江戸浅草寺の末。飛木山普門院と号す。開山良秀応仁元年正月3日寂す。本尊弥陀傍に不動を置。
地蔵堂。弥陀堂、往来を隔て向の墓所にあれとここも当寺除地の内なりと云。地蔵を相座とす。(新編武蔵風土記稿より)
「墨田区史」による円通寺の縁起
円通寺(押上二丁目三九番六号)
応仁元年(一四六七)に良秀法印が開山したと伝えられている。天台宗に属して飛木山と称し、本尊は阿弥陀如来である。
境内には、北向脚気地蔵尊、元文五年(一七四〇)の庚申塔や、書家高林二峰の碑などがある。
北向脚気地蔵尊は、明治初年に曳舟川の川底から出土して境内に安置されたもので、当時、かっけに苦しんでいた深川木場の材木商が、夢告によってこの地蔵尊に日参したところ全快した。以来、北向脚気地蔵尊と呼ばれて多くの信仰を得るようになったという。(「墨田区史」より)
円通寺所蔵の文化財
- 明暦2年銘地蔵菩薩立像(墨田区登録文化財)
- 元文5年銘庚申塚
- 北向脚気地蔵尊
明暦2年銘地蔵菩薩立像
錫杖の一部に欠損あるのは惜しまれますが、ほぼ原形を保ち、区内でも最古に属する石仏です。尊像の顔貌は童顔に満ちていて、江戸初期の佳作にふさわしいもおです。
舟形光背は細身で、尊像の丈に比べて不似合いなほど大きくし、上端に反りを持たせた江戸期特有の形態を示しています。
銘を「干時明暦二年丙甲(1656) 奉造立地蔵大菩薩為寒念佛供養也 殊者当村血縁衆為菩提也 二月吉日」としています。
この地蔵菩薩は寺島村新田(旧称)の、地蔵講中による「寒念仏」を修したことを記念していると同時に、結縁衆の「菩提」を弔うために造立・奉納されたものでもあります。
かつての、村落共同体による地蔵講・観音講・庚申講などが、ほとんど姿を消してしまったことは惜しまれます。(墨田区掲示より)
円通寺の周辺図
参考資料
- 新編武蔵風土記稿