東谷山禅林寺|島田九郎右衛門が開基
禅林寺の概要
臨済宗建長寺派寺院の禅林寺は、東谷山と号します。禅林寺は、島田九郎右衛門が開基となり、春覚禅師を開山に迎えて文禄2年(1593)に創建、『大菩薩峠』の作者中里介山居士の菩提寺だといいます。
山号 | 東谷山 |
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院号 | - |
寺号 | 禅林寺 |
住所 | 羽村市羽東3-16-23 |
本尊 | 如意輪観世音像 |
宗派 | 臨済宗建長寺派 |
葬儀・墓地 | - |
備考 | - |
禅林寺の縁起
禅林寺は、島田九郎右衛門が開基となり、春覚禅師を開山に迎えて文禄2年(1593)に創建したといいます。
羽村市教育委員会掲示による禅林寺の縁起
東谷山禅林寺
臨済宗建長寺派。文禄二年(一五九三)創建。開基は当所島田氏の祖、島田九郎右衛門。開山は円覚寺の三伯禅師の弟子春覚禅師です。
山号は当地の旧名、東ヶ谷戸から、寺名は建長寺の額『天下禅林』からと伝えています。本尊は如意輪観世音、他に豊臣秀吉縁と伝える観音像、境内に天明義挙の碑、墓地に『大菩薩峠』の著者中里介山の墓があります。
現在の本堂は昭和三十三年、庫裡は天保年間の建築。山門は文久二年(一八六二)の建築で、天井の絵は桃門玄鯉禅師の作、雨乞龍と呼ばれています。(羽村市教育委員会掲示より)
新編武蔵風土記稿による禅林寺の縁起
(羽村)深林寺
境内除地、二段四畝十四歩、小名根岸にあり、東谷山と號す、禅宗にて村内一峰院の末、本尊如意輪観音、木像長一尺五寸、外に長九寸許の正観音あり、弘法大師の作と云、太閤秀吉所持の木像にて、故ありて木下某より寄附せしものといふ、開山春覺といふ、その寂年を失ふ、此寺近年回禄の災に遇て、舊記等もうせしかば、何事も辨せず、堂宇もいまだ再興なし。(新編武蔵風土記稿より)
境内掲示による禅林寺の縁起
当寺の開基は島田九郎右衛門という人。当地の島田氏の先祖で、屋敷が、寺の前の道路も向こう一帯にありました。文禄二年(一五九三)正月の創建、九郎右衛門が自分の寺として開いたと伝えています。
開山は春学禅師。鎌倉、円覚寺の世代、三伯玄伊禅師の法を嗣いだ和尚さんです。
山号は東谷山、このあたりの地名、東ヶ谷戸によったものです。寺名は、開基の戒名、島田院殿からすれば、島田院となるところですが、建長寺の「天下禅林」の額から二字をいただいて禅林寺としたと伝えています。
この寺は『大菩薩峠』の作者中里介山居士の菩提寺です。介山居士に『遊於処処』という作品があります。その中の「故園」という文章に「禅林寺に守山和尚をたずねてみると折柄、檀家総代を集めて、観音堂建立の相談であった。和尚の案内でお堂の敷地を見せてもらい・・・」と書いてある観音堂というのがすぐ前の建物です。(境内掲示より)
禅林寺の周辺図
参考資料
- 新編武蔵風土記稿