安立院|台東区谷中にある曹洞宗系単立寺院
安立院の概要
曹洞宗系単立寺院の安立院(あんりゅういん)は、長耀山と号します。安立院は、もと延暦寺別院安楽律院末の天台律宗で、天王寺末でだったといいます。のち宗旨を改め、曹洞宗系単立寺院となったといいます。
山号 | 長耀山 |
---|---|
院号 | 安立院 |
寺号 | - |
住所 | 台東区谷中7-10-4 |
宗派 | 曹洞宗系単立 |
葬儀・墓地 | - |
備考 | - |
安立院の縁起
安立院は、もと延暦寺別院安楽律院末の天台律宗で、天王寺の塔頭だったといいます。のち宗旨を改め、曹洞宗系単立寺院となったといいます。
「下谷區史」による安立院の縁起
安立院(谷中天王寺町三五番地)
近江安楽院末、本尊阿彌陀佛。もとは天王寺の塔頭であつたが、明治に至つて獨立した。開基年月は不詳、寛政九年法隆律師の中興するところである。(「下谷區史」より)
御府内寺社備考による安立院の縁起
安立院
当院開基相知不申候。
本尊弥陀如来、丈3尺(御府内寺社備考天王寺項より)
安立院所蔵の文化財
- 木造阿弥陀如来立像(台東区登載文化財)
木造阿弥陀如来立像
安立院は、現在曹洞宗系単立寺院ですが、もと延暦寺別院安楽律院末の天台律宗でした。文政9年(1826)の記録には現在隣接する天台宗天王寺の塔頭の一つに挙げられています。
来迎印阿弥陀像は従来坐像が普通でしたが、鎌倉時代仏師快慶が、安阿弥様と呼ばれる三尺立像の阿弥陀仏を新しく造立して以来、立像へと転換していきました。
本像は、ヒノキ材製で寄木造。像高98.3cm、髪際高91.8cm。螺髪を彫り出し、肉髻珠・白毫を表し、衲衣・褊衫・僧祇支・裙を着け、来迎印を結んで左足をやや前に出して立ちます。玉眼を嵌め入れ、肉身部は金泥塗、衣部は布貼り、黒漆塗の上に白土地、丹彩の上に金泥塗。その上に切金文様を表します。その彫法・仕上げから、典型的な安阿弥様を示す、鎌倉時代後期の正統仏師の作品と思われます。
本像が当寺に安置された時期は不明ですが、文政12年(1829)編集の『御府内寺社備考』に本尊として記され、これ以前と思われます。現在、本堂に安置されており、区内の古仏の優品として貴重です。(台東区教育委員会)
安立院の周辺図
参考資料
- 御府内寺社備考
- 「下谷區史」