佛心寺|台東区谷中にある日蓮宗寺院

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顕寿山佛心寺|台東区谷中にある日蓮宗寺院

佛心寺の概要

日蓮宗寺院の佛心寺は、顕寿山と号します。佛心寺は、僧日琮が寛永6年(1629)浅草に創建、慶安元年(1648)当地へ移転し堂宇を建立、日琮の弟子顕寿院日演(万治元年1658寂)を開山としたといいます。

佛心寺
佛心寺の概要
山号 顕寿山
院号 -
寺号 佛心寺
住所 台東区谷中1-5-35
宗派 日蓮宗
葬儀・墓地 -
備考 -



佛心寺の縁起

佛心寺は、僧日琮が寛永6年(1629)浅草に創建、慶安元年(1648)当地へ移転し堂宇を建立、日琮の弟子顕寿院日演(万治元年1658寂)を開山としたといいます。

「下谷區史」による佛心寺の縁起

佛心寺(谷中坂町八二番地)
堺妙國寺末、顯壽山と號す、本尊釋迦、多寶、四菩薩(文殊、普賢、不動、愛染)、四天王。寛永六年僧日琮淺草某所に創立し、慶安元年谷中玉林寺朱印地の内二百五十六坪を借受け、弟子顯壽院日演をして一宇を建立せしめ妙國寺末頭とした。故に日演を開祖と稱する。傳教大師作と稱する毘沙門天を安置す。(「下谷區史」より)

御府内寺社備考による佛心寺の縁起

和泉国堺妙国寺末
顕寿山佛心寺、境内玉林寺借地296坪。
起立寛永6年、正保4年迄19年之間、浅草ニ罷在。慶安元年当所玉林寺境内借地仕、引移り候由。尤旧地名所、相知不申候。
開山顕寿院日演、万冶元年閏12月17日寂。
客殿間口5間奥行3間半、本尊南無妙法蓮華経、釈迦、多宝、四菩薩、文殊、普賢、不動、愛染、四天王、大黒天、鬼子母神、日蓮
鎮守毘沙門堂間口3間奥行2間半。毘沙門木像丈5寸許伝教大師作。前立木像丈9寸許。(御府内寺社備考より)


佛心寺所蔵の文化財

  • 木造日蓮上人坐像(台東区登載文化財)

木造日蓮上人坐像

本像は、鎌倉時代の名僧日蓮の坐像です。像高28.4cmで、左手に経巻、右手に笏を握り、結跏趺坐するさまを表現しています。さらに、本像を安置している3段の台座のうち、上の2段は本像と同じ制作にかかるものです。
像の底部や台座の裏面には、慶安4年(1651)江戸に住む「仏師 式部卿」という人物が制作にあたり、当寺の檀家篠田助右衛門が奉納したと記しています。式部卿については明らかでありませんが、埼玉県川越市にある天台宗寺院の名刹喜多院の天海僧正坐像を制作した「大仏師 式部卿」の実子か、あるいは弟子と思われます。天海僧正坐像は肖像彫刻の名品として知られていますが、本像も天海像の高い制作技術をよく継承したことがうかがわれる優れた彫刻です。その上、江戸時代の仏師については不明な点が多い中で、資料のひとつともなる作品であり、貴重です。


佛心寺の周辺図


参考資料

  • 御府内寺社備考
  • 「下谷區史」