覺王寺|柏市松ケ崎にある真言宗豊山派寺院
覺王寺の概要
真言宗豊山派寺院の覺王寺は、日通山と号します。覺王寺は、法印長源が延宝4年(1676)に開山、明治維新まで松ヶ崎地内の松ヶ崎香取神社や諸社の別当を勤めていたといいます。当寺の大日如来像は、平安時代の作とされ、千葉県文化財に指定されています。
山号 | 日通山 |
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院号 | - |
寺号 | 覺王寺 |
住所 | 千葉県柏市松ケ崎1112 |
宗派 | 真言宗豊山派 |
葬儀・墓地 | - |
備考 | - |
覺王寺の縁起
覺王寺は、法印長源が延宝4年(1676)に開山、明治維新まで松ヶ崎地内の松ヶ崎香取神社や諸社の別当を勤めていたといいます。
松ケ崎の観音様
覺王寺
松ヶ崎村字寺田谷に所在。日通山と号し、江戸時代は葛飾郡鰭ヶ崎村(流山市)東福寺の末寺であった。本尊は明治前期の「寺院明細帳」では弥勅菩薩としてあり、後に明治四三年に境内仏堂の大日堂を合祀して大日如来とした。過去帳によれば、当寺は延宝四年(一六七六)に法印長源が開いたものとある。本尊の金剛界大日如来は平安時代後期の造立と推定されている。寛保元年(一七四一)の「郷差出帳」によれば、境内は除地(年貢免除地) で、同じく除地の観音堂・(阿)弥陀堂・八幡宮を支配し、さらに村内の神社など一〇か所(湯殿権現・香取天神・弁財天・阿波野須・熱田・不動・弁財天・熊野権現・天王) と、道心者(正式の僧ではない坊主)の住む寮二か所を支配していた。(「柏市史」より)
覺王寺所蔵の文化財
- 木造大日如来坐像(千葉県指定文化財)
木造大日如来坐像
本堂には、平安時代に弘法大師空海が開いた真言宗の中心仏とされる大日如来坐像が安置されています。
本像は、八角十重の蓮華座にのり二十円相の光背を配し、像高は58cm(総高は126.9cm)と小柄な像です。
本体は、ヒノキ材を用い、彫眼の上、錆地で漆箔が施され、「一木割矧造」の技法で製作されています。頭部は螺髪を結い、正面に五仏を表した八角宝冠を戴き、体部に条帛・裙・腰布を着け、手は地拳印を結び、右足を上に結跏趺座します。顔は円満でおだやかな相好、体はゆったりとした大きな局面と曲線によって構成され、衣文は鎬をたてずに浅く彫られています。こうした作風は、11世紀半ば頃に完成された「定朝様」に倣うものとされますが、以上のことから本像は関東地方での制作ではなく京都仏師の手になるものと考えられます。
なお、造像当初のものと見られる墨書銘記が、像内胸部に「三河栄珎(戊子/九月十六日)」、像内両脚部中央に「造立佛師六郎四郎」と記され造像に関係したと思われる僧名と造像年、仏師名などが見られます。
『戊子』の年は平安時代の天仁元年(1108)もしくは仁安3年(1168)にあたるとされ、数少ない平安時代の造像銘記の例として貴重なものです。
なお、本尊は通常非公開となっています。(柏市教育委員会掲示より)
覺王寺の周辺図
参考資料
- 「柏市史」