道隆寺。安芸郡府中町にある真言宗寺院

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桑多山道隆寺。関白藤原道隆が建立

道隆寺の概要

真言宗寺院の道隆寺は、桑多山安芸院と号します。道隆寺は、天平時代から寺があったと推定される当地周辺に弘法大師が大同元年(806)に開基した府白山無量寿院薬王寺を前身として、長徳元年(995)関白藤原道隆が七堂伽藍を建立し、道隆寺と改めたといいます。本尊の薬師如来坐像は、建仁元年(1201)の墨書銘が残され、広島県重要文化財に指定されています。広島新四国八十八ヵ所霊場28番です。

道隆寺
道隆寺の概要
山号 桑多山
院号 安芸院
寺号 道隆寺
本尊 薬師如来坐像
住所 安芸郡府中町みくまり3-9-8
宗派 広島県真言宗教団
葬儀・墓地 -
備考 -



道隆寺の縁起

道隆寺は、天平時代から寺があったと推定される当地周辺に弘法大師が大同元年(806)に開基した府白山無量寿院薬王寺を前身として、長徳元年(995)関白藤原道隆が七堂伽藍を建立し、道隆寺と改めたといいます。

境内掲示による道隆寺の縁起

道隆寺の案内
水分峡の入口西方丘陵上(現在の城ヶ丘団地の上)にある古寺で桑多山・安芸院・道隆寺と号す。
寺伝では大同元年(八〇六)弘法大師開基の薬王寺、現在は(當所山約六〇〇mの山上)寺屋敷と称するところに始まり、十世紀末葉の正暦年中官朴藤原道隆が再興した寺で現在の寺号はそれによる。
寺の周辺からは奈良時代の古瓦・骨壺等を出土し、一本作りの古仏像(俗に焼佛という)も残っている。
なお同寺の本尊薬師如来は建仁元年(一二〇一)の墨書銘があり藤原風の穏和流麗な優作で昭和三十二年に廣島縣重要文化財に指定された。(府中町・府中町観光協会掲示より)

「廣島縣史」による道隆寺の縁起

道隆寺
桑多山安藝院(仁和寺末)
正暦四年創立と傳ふるも詳ならず、縁起書には大同中開基、薬王寺と稱す、正暦中九條關白道隆公より、寺地八町を附し、七堂伽藍を建て、今の寺號に改めしといへり、或云ふ此地方は往古公の采邑なり、依て當寺を重修せられたりと。(「廣島縣史」より)


道隆寺所蔵の文化財

  • 木造薬師如来坐像(県重文)

木造薬師如来坐像

道隆寺と木造薬師如来坐像
道隆寺は、大同元年(806)弘法大師の開基した寺の後身で、府白山無量寿院薬王寺と称していましたが、長徳元年(995)関白藤原道隆が土地を寄進して七堂伽藍を建立し、名を道隆寺と改めたといわれています。
しかし寺の周辺からは天平時代(729~749)の」軒丸瓦が発見されているので、以前からこの地には寺院があったものと思われます。
本尊の薬師如来坐像は端正な容貌の寄木造りで、彩色がありましたが今では剥落しています。胎内には鎌倉初期の建仁元年(1201)に作られたことがわかる墨書があります。しかし東国を中心に現れていた力強く写実的な新しい様式の慶派風の影響は、まだこの地に浸透していなかったことを示す仏像として、県の重要文化財に指定されています。(府中町教育委員会掲示より)

道隆寺の周辺図


参考資料

  • 「廣島縣史」