日照山普音寺。兵庫県たつの市龍野町にある浄土宗寺院
普音寺の概要
浄土宗寺院の普音寺は、日照山来迎院と号します。普音寺は、脇坂安治公が、獏逆の友で僧侶となっていた浅井長政公の臣石井勘蔵(龍誉)を洲本に招いて日照山来迎寺として創建、浅井家伝来の三尊来迎仏を本尊として、脇坂藩の総菩提寺としたといいます。その後愛媛県大洲、長野県飯田への転封にもつき従い、当地に寛文12年(1672)移転、延宝7年(1679)来迎寺を普音寺と改称しています。当寺は浄土宗西山禅林寺派の准檀林格地で、かつ当寺観音堂の十一面観世音菩薩は、藤原時代の名作で、揖保西国第二十一番霊場となっています。
山号 | 日照山 |
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院号 | 来迎院 |
寺号 | 普音寺 |
本尊 | 阿弥陀如来像 |
住所 | たつの市龍野町福の神6 |
宗派 | 浄土宗 |
葬儀・墓地 | - |
備考 | - |
普音寺の縁起
普音寺は、脇坂安治公が、獏逆の友で僧侶となっていた浅井長政公の臣石井勘蔵(龍誉)を洲本に招いて日照山来迎寺として創建、浅井家伝来の三尊来迎仏を本尊として、脇坂藩の総菩提寺としたといいます。その後愛媛県大洲、長野県飯田への転封にもつき従い、当地に寛文12年(1672)移転、当地には澤月等心大徳が天文元年(1532)に創建した真言宗普音寺があったことから、延宝7年(1679)来迎寺を普音寺と改称しています。当寺観音堂の十一面観世音菩薩は、藤原時代の名作で、揖保西国第二十一番霊場となっています。
境内掲示による普音寺の縁起
当山は豊臣秀吉時代しずが嶽の七本鎗で有名な脇坂甚内安治公が天正十三年大和高取城主となり世に名高い観明坊護持伝来の宗祖円光大師御真筆(法然上人)の掛文の名号並に観明坊自作の木像を得て尊信されている折柄江州浅井長政公の臣石井勘蔵が世の盛衰を見て無常を悟り越前北の庄安養寺の泰存上人の弟子となり龍誉と名付け精進修行して、遂に一流の法脈を伝授した。脇坂公と獏逆の友であったため仝年十月安治公洲本に遷り一宇を建立しこれを日照山来迎寺と号した。浅井家伝来の恵心僧都御親筆、三尊来迎佛(阿弥陀如来、観世音菩薩、大勢至菩薩)をもって本尊とし掛分の名号木像を以て、永世の重宝として脇坂藩一家中の総菩提寺と定められた。その後豫州大須に遷城、本尊並に重宝を護持し随従再建し寛文十二年脇坂三代安政公信州飯田より当龍野に遷った時住持聴誉上人も亦随従し仝年脇坂公により一宇を建立、定款輪違を許され、当藩の総菩提所となった。文久二年脇坂公より赤地の打敷を拝領し、浄土宗の鎮西派であったが、延保七年浄土宗西山派に転じて日照山普音寺と改称、現住職三十一世に至った。(境内掲示より)
境内掲示による普音寺の縁起
普音寺縁起
日照山来迎院普音寺の前身は八百年前大慈庵と称し藤原時代一千年前の名作で海中出現の霊験あらたかな十一面観世音菩薩を本尊とし尊崇され現に揖保西国二十一番札所である。爾来天文元年壬辰歳(一五三二)真言宗として澤月等心大徳によって普音寺と称し開山され前藩主京極備中守の菩提所であったが万治元年(一六五八)備中守が四国丸亀に移封と共に転住した。寛文十二年壬子歳(一六七二)脇坂三代安政侯が信州飯田より龍野へ遷城されたとき脇坂侯により脇坂藩菩提所来迎寺としてこの普音寺跡地に創建され後に前名普音寺と改称した本尊は阿弥陀如来の立像で本堂に奉安され脇侍は右に観世音菩薩左に大勢至菩薩の三尊来迎仏で遠く恵心僧都の作と伝承されている。
脇坂藩総菩提寺 揖保西国第二十一番霊場
浄土宗西山禅林寺派 准檀林格地
日照山来迎院普音寺(境内掲示より)
普音寺観音堂の縁起
普音寺観音堂
本尊は藤原時代(一〇〇〇年前)海中出現の霊佛で准国宝級の十一面救世観世音菩薩である。この観世音菩薩は八百年前お告げによりここに奉安された。
観世音菩薩は菩薩の代表格で阿弥陀如来の慈悲を表わし、身口意の三業を清浄として十一のお顔をもっていられる。
即ち正面は慈悲相、左三面は瞋怒相、右三面は白牙上出相、後三面は大笑相、頂上は如来相といい、秘仏であるから毎年七月十七日・十八日の観音会式の縁日にお開帳をする。交通安全、安産、水難火災、除病延命、家運長久、学業成就、願望成就等の除難利益に霊験あらたかであり郡西国第二十一番の霊場札所である。
観音堂内には等身大の十一面観世音菩薩の木像が、正面おお厨子内に安置されその前面にお前立りの観世音菩薩がお祀りされている。
脇壇の右は如意輪観世音菩薩、左は脇坂侯寄進のお助け地蔵菩薩、薬師瑠璃光如来を脇本尊として、西国三十三ヶ所の観世音菩薩三十三躰と無限の世界の救済を誓願された一願成就の一千躰の地蔵菩薩が奉安されている。
お堂は文禄二年の創建で、中には一〇三九躰の佛菩薩が安置してある。(境内掲示より)
普音寺所蔵の文化財
- 戦国時代絶世の美形お市の方三尊来迎佛(本堂)
- 脇坂三代安政侯お手植え糸桜(供養塔前)
- 十一面観世音菩薩(大慈殿奉安)
- 浅井長政藩、柴田勝家藩、京極高知藩、脇坂安治藩、家臣累族大供養塔
普音寺の周辺図