磐梯神社。耶麻郡磐梯町大字磐梯並杉の神社

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磐梯神社。旧慧日寺の鎮守社、旧郷社

磐梯神社の概要

磐梯神社は、福島県耶麻郡磐梯町大字磐梯並杉にある神社です。磐梯神社は、慧日寺を創建した法相宗の徳一菩薩が、古来より霊山として信仰されてきた磐梯山を慧日寺の鎮守社として大同2年(807)に創建、明治維新後の神仏分離・慧日寺廃寺に伴い、神社として独立しています。社格制定に際して一旦郷社に列格したものの、若松県設置時に村社に降格、明治19年改めて郷社に昇格したといいます。

磐梯神社
磐梯神社の概要
社号 磐梯神社
祭神 大山祇命、埴山比賣命
相殿 -
境内社 -
祭日 -
住所 耶麻郡磐梯町大字磐梯並杉5300
備考 -



磐梯神社の由緒

磐梯神社は、慧日寺を創建した法相宗の徳一菩薩が、古来より霊山として信仰されてきた磐梯山を慧日寺の鎮守社として大同2年(807)に創建、明治維新後の神仏分離・慧日寺廃寺に伴い、神社として独立しています。社格制定に際して一旦郷社に列格したものの、若松県設置時に村社に降格、明治19年改めて郷社に昇格したといいます。

境内掲示による磐梯神社の由緒

会津地方を代表する名峰磐梯山は、古来神々が宿る霊山として信仰されてきました。磐梯明神を祀る磐梯神社は、平安時代の初めに法相宗の僧徳一によって開かれた慧日寺の鎮守社を起源としています。このように元来慧日寺とは密接な関係にあったのですが、慧日寺の伽藍も長い時代を経る中で変遷を重ね、明治期以降は、その跡地に神社として独立することになりました。
以降、大正・昭和にかけ百二十年以上にわたって鎮座していましたが、平成十年、慧日寺跡の史跡整備事業に伴って現在の地に移転し、社殿も新築されました。
「舟引き祭りと巫女舞」は、もともと慧日寺の年中行事として行われていましたが、明治の廃寺後に磐梯神社に引き継がれ現在にいたります。(「極上の会津プロジェクト協議会”会津の三十三観音めぐり”ストーリー」掲示より)

「福島県耶麻郡誌」による磐梯神社の由緒

磐梯神社
一祭神:大山祇命、埴山比賣命
一所在:磐梯村大字磐梯字磐梯山上鎮座
一由緒:當社は磐梯山絶頂に本社を鎮斎し中頃に肺炎あり磐梯村大寺に遥拝所あり、抑當山舊名を病惱山と稱せしは往昔此山の風氣惡く魔魅瘴癘をなし稼穡の妨け多く依て郷里常に霧覆ひ(上古會津ノ平多霧ノ里と唱ふ)加之山の巽の月輪・更科の二荘大同元年一夜に湖水となり溺死するもの其數知れす。故を以て平城天皇の御宇釋空海詔命を奉して来り、今の河沼郡八田野村稲荷ヶ森に於て加持し邪蛇を烏帽子ヶ嶽(磐梯の南麓)に縛し山名を磐梯山と改む。此時空海手に三鈷の杵を執り祈りて曰く、願くは此杵先靈區を占せよと、便ち空中に向て之を擲ては其杵飛んで雲中に入り降て紫藤に懸る其所に就て寺を建立し丈六の薬師及金像脇士日光月光十二神将四天王等を置きて密法興繁の勝場となす。又其邪蛇の尾の當る所を尾寺と稱す。後来漸々寺院巨宏となる故を以て大寺と村名す。此時山神形を現はし海に逢ひて靈驗あり。以て鎮守と奉斎し、磐梯明神と尊號し遂に之か爲に樂を作す明神舞といふ(此曲節明治三年まで傳はれり)。爰を以て天皇叡威ありて別當(此頃清水寺今は惠日寺)に當郡を税せらる。夫れより海歸絡し後得溢なる者来る頃僧舎三百餘宇、爾来繁榮し僧房三千六百餘宇に増す。其他神官或は寺武士數員在来す。此時に當て祭祀の儀式嚴然として社頭堂舎の巨大なること想像すへし。故に今十餘里の間其遺址顯然たり。亦空海自戒壇を築きて寶祚遠久を祈りてより爾来沿襲し後鳥羽天皇の御宇舊の勅願あり。此時都鄙の諸關に征あり、故に銅印を賜はり符とし其征を免せらる。
平城天皇大同二年 嵯峨天皇弘仁元年 淳和天皇天長二年 白河天皇承保二年
右四朝の御宇に玉串を献上す
白河天皇御宸筆勅額を賜はる(天正年中の兵火に焼亡す)
壽永年間當時衆徒の巨魁乗丹坊衆徒を引率し越後城四郎長茂に應援す、其時長茂小川荘を乗丹坊に與ふ。佐原氏封に就きてより武勢往々強盛になり、僧徒神官漸々衰毀して出湯神社・宇井新寺・阿彌陀堂等各寺院追年滅亡す。蘆名義廣八田野村・居合村・柳原村を寺領に附す。天正年中伊達政宗常世村・三橋村を附し。同時伽藍堂舎炎上す。氏郷景勝の兩主寺産を沒す。後慶長年中蒲生秀郷五十斛を寄附す。明暦年中保科氏封に就き社領として先規の如く其他附属の地及別當一名社僧六名神官一名末寺二十二箇寺從前の通り据置く。明治二年三月民政局より社領從前の通り賜はる。同年神佛混淆を改め神社と塔堂を區別す。二十二箇寺の末寺も分離し、惠日寺廃寺となり別當一名外六名の僧徒復歸す。明治三年より社領米賜はらす、同四年殘らす上地となる。同六年神官六名廢止せられ今の葉室長住祠掌拝命、同年舊惠日寺内地二段四畝二十四歩今の観音院に譲る。同年遥拝所炎上す。明治十九年十一月二十四日郷社に復す(元郷社なりしを若松縣のとき村社となりし故なり) (「福島県耶麻郡誌」より)


磐梯神社の周辺図


参考資料

  • 「福島県耶麻郡誌」

関連ページ

  • 慧日寺跡(国指定史跡)
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  • 磐梯山恵日寺(真言宗豊山派)
    慧日寺の名跡を引き継いだ寺院