長泉院。「おしゃみの鐘」、北足立八十八ヵ所霊場
長泉院の概要
真言宗霊雲寺派寺院の長泉院は、甘露山と号します。長泉院の創建年代は不詳ですが、横浜市六浦にあった名跡を移し、円実という沙弥が宝暦5年に当地に創建したといいます。長泉院の鐘は宝暦八年(1758)に江戸神田鍛冶町の小幡内匠によって作られたもので、蕨宿では時の鐘として親しまれ、「おしゃみの鐘」とよばれていたといいます。北足立八十八ヵ所霊場31番です。
山号 | 甘露山 |
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院号 | 長泉院 |
寺号 | - |
本尊 | 大威徳明王像 |
住所 | 蕨市中央5-13-3 |
宗派 | 真言宗霊雲寺派 |
葬儀・墓地 | - |
備考 | - |
長泉院の縁起
長泉院の創建年代は不詳ですが、横浜市六浦にあった名跡を移し、円実という沙弥が宝暦5年に当地に創建したといいます。
新編武蔵風土記稿による長泉院の縁起
(蕨宿)寶樹院
真言律宗、江戸湯嶋霊雲寺末、甘露山と號す、本尊弥陀を安せり、當院は古紀州高野山末にて、久良岐郡六浦にありしを、寶曆五年引移せりと云、此時の僧理潭は同十三年三月十二日示寂せり。
稲荷社三宇。一は千代姫、一は乙姫、一は松永と称し、三社並び立てり、相傳ふ、古紀州にありしが、いつの頃か紀伊殿の霊夢によりて、當所へうつされしといふ。(新編武蔵風土記稿より)
長泉院所蔵の文化財
- 長泉院梵鐘(おしゃみの鐘)
長泉院梵鐘(おしゃみの鐘)
甘露山長泉院は、真言律宗、東京都湯島の霊雲寺の末寺で、宝暦三年(一七五三)に創建されました。
本尊は、大威徳明王。檀家をもたない祈願寺で、円実という沙弥が創建したことから、一般には「おしゃみ」という通称で知られています。
長泉院の梵鐘は、宝暦八年(一七五八)に江戸神田鍛冶町の小幡内匠によって作られたもので、蕨宿では時の鐘として親しまれ、水戸の弘道館の鐘と並んで、江戸時代の名鐘の一つに数えられています。
鐘の大きさは、高さ約一四四・六cm 口径約七九・五cm 口の厚さ約九cmで、非常に美しい音色をもっています。
この鐘の特徴としては、乳がないこと、撞座の中央に梵字が鋳出されていることなどがあげられ、第二次世界大戦のさいには、鐘の供出が免除されました。
また、駒の爪が充分に発達し、竜頭の勇猛な表情からも、鋳造者の非凡な才能がうかがわれます。(蕨市教育委員会掲示より)
長泉院の周辺図
参考資料
- 新編武蔵風土記稿