松尾神社|千代田区神田多町の神社

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松尾神社|青物市場関係者を中心に崇敬されていた社

松尾神社の概要

松尾神社は、千代田区神田多町にある稲荷神社です。松尾神社の創建年代等は不詳ながら、明治13年の「神田神社明細」に記載され、松尾稲荷と称し、青物市場関係者を中心に崇敬されていたといい、明治6年に神田神社の兼務社となっています。

松尾神社
松尾神社の概要
社号 松尾神社
祭神 宇迦之御魂命、大山昨神、中津島姫命
相殿 -
境内社 -
住所 千代田区神田多町2-11
備考 -



松尾神社の由緒

松尾神社の創建年代等は不詳ながら、明治13年の「神田神社明細」に記載され、松尾稲荷と称し、青物市場関係者を中心に崇敬されていたといい、明治6年に神田神社の兼務社となっています。

「千代田の稲荷」による松尾神社の由緒

現在は「松尾神社」と称されているが、「神田神社明細」(明治一三東京都公文書館蔵)によれば、祭神は「宇迦之御魂命」、「松尾稲荷ト称ス」とあり、稲荷神を祀る神社であったこと、および明治六年(一八七三)に神田神社の兼務杜となっていることが記されている。また同記録には「明治八年仝町青物市場中ヨリ再建」と記されており、かつて神田多町に所在した青物市場に関係した人々に信仰されていたこと、またその後も市場関係者が多く居住した神田多町二丁目において、地域の守護神・同業者の守護神として祀られてきたことがうかがえる。記録では明治二五年に(市道整備の影響と推測される) 一時的に神田神社に遷座している。
こうした記録から松尾神社の創建時の所在地や移転については不明な点もあるが、明治・大正期間に社殿が三~四度移転していたようであり、昭和五年(一九三〇)時点には現在地に社殿を構えていて、戦災を免れたと伝えられている。また、近隣の一八稲荷神社が社殿を再建するときに一時御神体を預かっていたこともある。松尾神社維持会は昭和二八年に結成されて現在に至っている。
現在では、「宇迦之御魂命」のほか、「大山昨神」「中津島姫命」が合祀されており、京都の松尾大社と同社名であることから少なからずの縁があるとして、松尾神社維持会は年に一度、松尾大社に詣でている。
明治期には二月の二の午が祭日と記されているが、現在は毎年一〇月中旬から一一月初旬の土曜日の午前に計画され、神田神社から神職を招いて神事が行なわれている。松尾神社維持会をはじめ、近隣町会関係者などが参列する。(「千代田の稲荷」より)


松尾神社の周辺図


参考資料

  • 「千代田の稲荷」