小沢虚空蔵堂。飯能市下名栗にある寺院

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小沢虚空蔵堂。鎌倉時代に建立された光照寺の跡地

小沢虚空蔵堂の概要

寺院の小沢虚空蔵堂は、飯能市下名栗にある虚空蔵堂で、旧光照寺地です。小沢虚空蔵堂の創建年代等は不詳ながら、鎌倉時代には当地に光照寺があり、光照寺の跡地に虚空蔵を奉安する虚空蔵堂が建立されたといいます。虚空蔵菩薩像は、室町時代後半の制作とされるから、安土桃山時代頃から江戸時代にかけて建立したものと思われます。

小沢虚空蔵堂
小沢虚空蔵堂の概要
旧山号 -
旧院号 -
旧寺号 光照寺
本尊 虚空蔵菩薩像
住所 飯能市大字下名栗・小字小沢
宗派 -
葬儀・墓地 -
備考 -



小沢虚空蔵堂の縁起

小沢虚空蔵堂の創建年代等は不詳ながら、鎌倉時代には当地に光照寺があり、光照寺の跡地に虚空蔵を奉安する虚空蔵堂が建立されたといいます。虚空蔵菩薩像は、室町時代後半の制作とされるから、安土桃山時代頃から江戸時代にかけて建立したものと思われます。

「新編武蔵風土記稿」による小沢虚空蔵堂の縁起

(下名栗村)
虚空蔵堂
小名小澤にあり、こゝに古へ鎌倉時世に、光照寺と云る一寺のありしが、いつの頃にか廢寺となりて、其跡へ此堂を建立せしとて、舊き堂なり、虚空蔵は木の立像にて、長一尺六寸、定朝の作なり、(新編武蔵風土記稿より)

境内掲示による小沢虚空蔵堂の縁起

小沢虚空蔵様
江戸時代に編さんされた『新編武蔵風土記稿』には次のような記述があります。(記述内容省略)
この記述により、鎌倉時代この地に光照寺があり、廃寺後跡地に虚空蔵堂を建てたことがわかります。
小沢では「コクゾウサマ」と呼ばれ、虚空蔵菩薩を祀ることからウナギを食べてはいけないといわれています。安産の神様ともいわれ、祭日は七月二十三日ですが、現在は二十三日に近い日曜日に行われています。
現在堂内には本尊として木造の虚空蔵菩薩坐像のほか、木造の六地蔵・七観音が安置されています。本尊は、室町時代後半の専門仏師の作と考えられるもので、市指定有形文化財になっています。
また、堂内には、大きな棟札がかけてあり、宝暦二年(一七五二)十二月二十八日に焼失して翌年に再建されたと記されています。(飯能市教育委員会掲示より)


小沢虚空蔵堂の縁起

  • 木造虚空蔵菩薩坐像(飯能市指定有形文化財)

木造虚空蔵菩薩坐像

虚空蔵堂(こくぞう様)の本尊。右手に宝剣、左手に宝珠を乗せた蓮華を持つ。像高四十一・八センチメートル、寄木造、彫眼で、頭上宝髪を結い、金銅製の宝冠(後補)を被り、地髪は毛筋彫りで、条帛・天衣・裳をまとって右足を上にして蓮台上に結跏趺坐する図像どおりの姿。大きめの鼻を持つ柔和な顔にローカル色の強い個性がうかがえるが、肩から膝にかけてのバランスがよく、肉身の表現にも適度な量感があり、着衣の衣文表現も的確でネバリのある写実描写を見せるなど、室町時代後半の専門仏師の手によるものと考えられる。(飯能市教育委員会掲示より)

小沢虚空蔵堂の周辺図


参考資料

  • 新編武蔵風土記稿
  • 「飯能市史資料編Ⅳ社寺教会」