古谷本郷薬師堂。もと灌頂院の塔頭神宮寺
古谷本郷薬師堂の概要
天台宗寺院の古谷本郷薬師堂は、かつて神宮寺と号していた堂宇です。古谷本郷薬師堂の縁起については不詳ながら、慈覚大師が天長年間(824-834)に創建した灌頂院の塔頭で神宮寺と号していたといいます。新編武蔵風土記稿に「大蔵寺・神宮寺を除の外、残る四寺皆灌頂院の役僧なるものきたりすめるなり」とあることから、江戸時代後期には役僧がいなかったようで、明治維新後神宮寺は廃寺、本尊の薬師如来像を安置した薬師堂となり、現在灌頂院が管理しています。
山号 | - |
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院号 | - |
寺号 | 薬師堂 |
住所 | 川越市古谷本郷 |
宗派 | 天台宗 |
本尊 | 薬師如来像 |
葬儀・墓地 | - |
備考 | - |
古谷本郷薬師堂の縁起
古谷本郷薬師堂の縁起については不詳ながら、慈覚大師が天長年間(824-834)に創建した灌頂院の塔頭で神宮寺と号していたといいます。新編武蔵風土記稿に「大蔵寺・神宮寺を除の外、残る四寺皆灌頂院の役僧なるものきたりすめるなり」とあることから、江戸時代後期には役僧がいなかったようで、明治維新後神宮寺は廃寺、本尊の薬師如来像を安置した薬師堂となり、現在灌頂院が管理しています。
新編武蔵風土記稿による古谷本郷薬師堂の縁起
(古谷本郷灌頂院項)
神宮寺。
本尊薬師、此堂の側にさしわたし十間許の塚あり、塚上に古松雑木生ひ茂れり、林塚と云、此邊に康正四年十一月と云石碑も見えたり。(新編武蔵風土記稿より)
古谷本郷薬師堂所蔵の文化財
- 木造薬師如来坐像(県指定有形文化財)
木造薬師如来坐像
近世世に知られた古谷本郷地区の古仏群を代表する作品で、榧材の寄木造からなり、彫眼、漆箔(後補)、像高は一三七・七センチメートル、偏袒右肩に衣をまとい、右手施無畏印を結び、左手に薬壷を持つ、半丈六に及ばんとする大作である。素朴な中にも写実味のある立体的で、力強い、表現手法、本体の根幹部をほぼ一材から刻み出す豪快な木取り法等の特色からすると十二世紀末葉から十三世紀初頭にかけての頃の造像と見てよく、形骸化した藤原彫刻から次代の生気溢れる鎌倉新様彫刻への転換をとげた先駆的な作例ということが出来る。地元川越はもとより、埼玉や関東の造仏史を探るうえに見逃せない作品といえよう。なお、本像は現在灌頂院の管理になるこの小さな薬師堂に安置されているが、かつては同所にあった神宮寺の本尊であったと考えられる。(川越市教育委員会掲示より)
古谷本郷薬師堂の周辺図