常住寺。川口市辻にある日蓮宗寺院
常住寺の概要
日蓮宗寺院の常住寺は、長照山と号します。常住寺の創建年代は不詳ですが、本土寺の過去帳に日栄という僧が鳩ヶ谷で没したと記載されており、室町時代から日蓮宗寺院が存在していたことを窺わせます。池上本門寺14世日詔(慶長16年1611年寂)が中興開山したといいます。
山号 | 長照山 |
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院号 | - |
寺号 | 常住寺 |
本尊 | 釈迦如来像 |
住所 | 川口市辻700 |
宗派 | 日蓮宗 |
葬儀・墓地 | - |
備考 | たちばな幼稚園併設 |
常住寺の縁起
常住寺の創建年代は不詳ですが、本土寺の過去帳に日栄という僧が鳩ヶ谷で没したと記載されており、室町時代から日蓮宗寺院が存在していたことを窺わせます。池上本門寺14世日詔(慶長16年1611年寂)が中興開山したといいます。
新編武蔵風土記稿による常住寺の縁起
(辻村)常住寺
日蓮宗、荏原郡池上本門寺末、長照山と号す。本尊三宝及び祖師を安ず。中興開山日詔は慶長16年寂す。
三十番神堂。神体は左に関する如き銅鏡なり。
第六天社。
鐘楼。享保19年に成りし鐘をかく。(新編武蔵風土記稿より)
常住寺所蔵の文化財
- 木造日蓮上人坐像(川口市指定有形文化財)
木造日蓮上人坐像
日蓮上人は、日蓮宗の開祖として鎌倉時代の著名な人物です。
この日蓮上人坐像は、旧鳩ヶ谷宿内の氷川神社の参道に面した祖師堂にありましたが、祖師堂の解体に伴い守護管理していた常住寺に移管しました。像は、各部分を別々の木材で造り合わせる木造寄木造りの技法で制作され、下地にカキの殻を砕いてニカワと混ぜた胡粉を塗り、その上に彩色が施されています。像本体の高さは30.5㎝です。
胎内には、多くの願文や題目などの文字が墨書きされており、室町(戦国)時代の文明八年(1476)と天文19年(1550)に修理された事がわかります。
文字の中には、「日栄」という僧侶の名があり、千葉県松戸市にある本土寺の過去帳に鳩ヶ谷で没したと記載されている日栄その人と推定され、当時の日蓮宗の広がりや両地域の繋りが理解されます。江戸時代の延宝三年(1675)にも鳩ヶ谷宿の題目講の人々が修理した記録も書かれています。
この像は、市内では数少ない室町(戦国)時代の彫刻で、像自体の素朴かつ実直な作風は、胎内に書かれた文字と相俟って、厳しい戦国の世を生きた人々の切実な願いを率直に表わすものがあり、歴史的にも、また彫刻史的にも貴重な文化財であることがわかります。(川口市教育委員会掲示より)
常住寺の周辺図