正龍寺。武州寄居十二支守り本尊霊場の辰巳札所
正龍寺の概要
曹洞宗寺院の正龍寺は、高根山藤源院と号します。正龍寺は、花園城主藤田五郎政行が高嶺山に筥根権現を祀り一寺を創建したといいます。貞和4年(1348年)臨済宗の僧実翁和尚が青龍寺と改号、天文元年(1532年)十五代城主藤田康邦のとき、乾翁瑞元和尚が教化、藤田康邦(法名法名藤源院天山組繁禅定門)が開基となったといいます。越生龍隠寺の九世東幡が当寺住職を務め、曹洞宗に改宗、当寺には藤田康邦夫妻や鉢形城主北条氏邦夫妻の墓があります。武州寄居十二支守り本尊霊場の辰巳札所です。
山号 | 高根山 |
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院号 | 藤源院 |
寺号 | 正龍寺 |
住所 | 寄居町藤田101-1 |
宗派 | 曹洞宗 |
本尊 | 釈迦牟尼佛像 |
葬儀・墓地 | - |
備考 | 武州寄居十二支守り本尊霊場の辰巳札所 |
正龍寺の縁起
正龍寺は、花園城主藤田五郎政行が高嶺山に筥根権現を祀り一寺を創建したといいます。貞和4年(1348年)臨済宗の僧実翁和尚が青龍寺と改号、天文元年(1532年)十五代城主藤田康邦のとき、乾翁瑞元和尚が教化、藤田康邦(法名法名藤源院天山組繁禅定門)が開基となったといいます。越生龍隠寺の九世東幡が当寺住職を務め、曹洞宗に改宗、当寺には藤田康邦夫妻や鉢形城主北条氏邦夫妻の墓があります。
寄居町・埼玉県掲示による正龍寺の縁起
曹洞宗の寺院で、高根山藤源院といいます。
正龍寺の創立は、花園城主藤田五郎政行で、高嶺山に筥根権現を祭り、一寺を創立す、といいます。能国の時代、文治4年(1187年)城下に青龍が出現し、龍泉の湖をつくり、住んだといわれており、貞和4年(1348年)臨済宗の僧実翁和尚が、山号を青龍寺と号しました。天文元年(1532年)十五代城主藤田康邦のとき、乾翁瑞元和尚が教化し、龍泉の湖の青龍を化龍して”八大龍王”をこの寺に祀りました。青龍寺は、後に昌龍寺と改名され、天正19年(1591年)徳川家康の時代に現在の寺号正龍寺になりました。
境内には、藤田康邦夫妻や鉢形城主北条氏邦夫妻の墓(いずれも県指定史跡)があり、また県の天然記念物に指定されている玉垂の楓といわれている名木もあります。(寄居町・埼玉県掲示より)
新編武蔵風土記稿による正龍寺の縁起
(古寄居村・寄居新組村・新寄居村)正龍寺
新寄居分にあり、禅宗曹洞派、入間郡越生龍穏寺の末、高根山藤源院と号す、始は青龍昌龍なと書しと云、往古萱野なりし頃、池中に龍の住しを、臨済宗の僧乾翁瑞元といへるもの教化し、その地を開て一寺を建立し、其所以をもて青龍寺と号せり。当時花園山の城主藤田右衛門佐康邦、若干の寺領を寄付せり、由て康邦を開基とす、此人は弘治元年九月十三日卒、法名藤源院天山組繁禅定門、当寺の因業はこれを用ひしなり、開山乾翁天文十六年三月十七日示寂、境内に康邦の碑及内室西福御前の碑あり、此人は永禄五年四月二十九日没す、法号寶林院嶺梅芳春、越生龍隠寺の九世東幡といへる僧、当山に住て中興せしより、改て曹洞派の地とはなれり、彼僧は天正元年十二月二十九日示寂す、本尊釈迦、文殊普賢は定朝の作なり、氏政・氏邦よりの文書を蔵す、後に出せり。
寺宝。
古刀。政刀と銘あり、右衛門佐康邦の帯刀なりと云。
短刀。平造りにて梵文二字及供利加羅龍を彫れり、大福御前此刀を以て自殺せしとなり。
香炉。古染附綱の手香炉なり、これも大福御前所持せし品なり。
古錦割手。同人夜具の切なりと云、此外古書画等もあれど悉記すに堪へず。
(中略)
鐘楼。元禄八年鋳造の鐘をかく。
高根権現社。三峯社。天満宮。白山社。稲荷社。
北条安房守氏邦墓。氏邦は左京大夫氏康が六男にて、始は新太郎と称す、天文の末藤田右衛門佐康邦が養子となり、地名によりて秩父と名乗る、後受領せし頃は本氏に復せり。久しく鉢形城に住せしが、天正十八年小田原陣の時、鉢形城落去するに及て、当寺にて薙染し、預人加賀利家が城下金澤へ移り、慶長二年八月八日彼地に没す、荼毘して帰葬せるに及て、此墓を営しと云、法号を昌龍寺天室宗青居士と号す、傍に父康邦夫婦の墓あり。
氏邦室藤田氏墓。藤田氏大福御前と号す、右衛門佐康邦の女なり、氏邦加州へ移て後、貞操を守り尼となりて、朝夕勤行の外他事なかりしが、当国旧家の方まで浅ましく成ゆきし事を感激せしにや、或時傍に人なきを時として自盡せり。時に文禄二年五月十日なり、見聞せし人哀憐せずと云ことなし。(新編武蔵風土記稿より)
正龍寺所蔵の文化財
- 蒔絵竹虎紅葉形亀甲小箱(国指定重要文化財)
- 花園城主藤田康邦の墓(埼玉県指定史跡及天然記念物)
- 花園城主藤田康邦夫人西福御前の墓(埼玉県指定史跡及天然記念物)
- 鉢形城主北条氏邦の墓(埼玉県指定史跡及天然記念物)
- 鉢形城主北条氏邦夫人大福御前の墓(埼玉県指定史跡及天然記念物)
- 玉垂の楓(埼玉県指定史跡及天然記念物)
- 霊照女の図(寄居町指定文化財)
- 仙男、仙女の図(寄居町指定文化財)
- 書翰三通(北条氏政より氏邦に寄せしの一通、氏邦の方丈に寄せしもの二通)(寄居町指定文化財)
正龍寺の周辺図