吹塚八幡神社。川島町指定有形民俗文化財の双体道祖神
吹塚八幡神社の概要
吹塚八幡神社は、比企郡川島町吹塚にある神社です。吹塚八幡神社の創建年代等は不詳ながら、当地名の発祥となった塚上に鎮座、大正15年までは塚上に御嶽神社が、麓に当社が祀られていたといいます。江戸期には吹塚村の鎮守として祀られ、明治維新後の社格制定に際し明治4年村社に列格、大正4年に神明社を、昭和3年に熊野社とその境内社稲荷社を合祀しています。鳥居横に祀られている双体道祖神は、川島町有形民俗文化財に指定されています。
社号 | 八幡神社 |
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祭神 | 應神天皇 |
相殿 | 建速素戔嗚大神、火産霊尊、奥津彦命、奥津姫命 |
境内社 | 御嶽社、天神社、双体道祖神 |
祭日 | 春祭り4月1日、夏祭り7月15日、秋祭10月15日 |
住所 | 比企郡川島町吹塚830 |
備考 | - |
吹塚八幡神社の由緒
吹塚八幡神社の創建年代等は不詳ながら、吹塚新田とも呼ばれる吹塚の出耕作地だった地に鎮座していることから、江戸中期以降に集落が形成された頃に創建したのではないかともいいます。
新編武蔵風土記稿による吹塚八幡神社の由緒
(吹塚村)
八幡社
西見寺持、(新編武蔵風土記稿より)
「埼玉の神社」による吹塚八幡神社の由緒
八幡神社<川島町吹塚八三〇(吹塚字竹鼻町)>
「吹塚」という地名は、低湿地あるいは深田の中にある塚を示しいる。これを裏付けるかのように、本村にある氷川神社の本殿は、塚上にあり、かつてここに舟を着けたという伝承がある。
現在、当地は「吹塚新田」と呼ばれているが、この地が行政村として一村をなした歴史はなく、あくまでも古くから吹塚村の村人の出耕作用の畑地であったという。本村からは、江戸中期以降、吉田・原・道祖土・中里・小島などの各家が当地に移転し集落を形成していった。当社の創建も恐らくこの時期に行われたのであろう。
主祭神は、応神天皇である。本殿には、白幣を奉安している。
別当は、本村にある真言宗法蔵山西養院 西見寺で、本尊は大日如来である。
明治初年、当社は無格社とされたが、氏子の信仰心は厚いものがあり、明治三十八年に社殿を改築し、盛大な祝宴を催した。
大正五年十月、祭事の際に打ち鳴らす太鼓を新調している。拝殿の「太鼓新築寄附者芳名標」によると、太鼓代は当時、一六円五〇銭を要した。
大正八年四月には、現在の拝殿を新築している。(「埼玉の神社」より)
吹塚八幡神社所蔵の文化財
- 道祖神(川島町指定有形民俗文化財)
道祖神
この道祖神は、男女二人が睦まじく手を取り合い庚申塔のそばに立っており、造立年代は不明である。道祖神というのは、村境にあることが多く、村を守り、病魔を防ぎ、村に悪いものが入ってこないようにさえぎることから、「塞の神」とも言われている。
全国的にも広く分布しており、男女二体の石造のほかにも、丸石などの自然石や、五輪塔など、地域によってはさまざまな形で祀られている。(川島町教育委員会掲示より)
吹塚八幡神社の周辺図
参考資料
- 「新編武蔵風土記稿」
- 「埼玉の神社」(埼玉県神社庁)