上戸田氷川神社。戸田市上戸田の神社

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上戸田氷川神社。戸田城主桃井中務大輔直和が勧請

上戸田氷川神社の概要

上戸田氷川神社は、戸田市上戸田にある神社です。上戸田氷川神社は、戸田城主桃井中務大輔直和が武運長久のために大宮氷川神社を勧請して永徳2年(1382)に創建したと伝えられ、明治6年には村社に列格、明治40年旧上戸田村にあった羽黒社、道祖神社、山王社、稲荷社などを合祀しています。当地周辺は、なお、当地周辺からは、方形周溝墓が百基以上発見されている他、蕨宿(戸田渡しから街道沿いに北に延びる字元蕨)が慶長19年(1614)が置かれており、往昔からの要衝地だといいます。

上戸田氷川神社
上戸田氷川神社の概要
社号 氷川神社
祭神 素盞嗚尊
相殿 -
境内社 稲荷社
祭日 -
住所 戸田市上戸田3-20-11
備考 旧村社



上戸田氷川神社の由緒

上戸田氷川神社は、戸田城主桃井中務大輔直和が武運長久のために大宮氷川神社を勧請して永徳2年(1382)に創建したと伝えられ、明治6年には村社に列格、明治40年旧上戸田村にあった羽黒社、道祖神社、山王社、稲荷社などを合祀しています。なお、当地周辺からは、方形周溝墓が百基以上発見されている他、蕨宿(戸田渡しから街道沿いに北に延びる字元蕨)が慶長19年(1614)が置かれており、往昔からの要衝地だといいます。

戸田市教育委員会掲示による上戸田氷川神社の由緒

上戸田氷川神社
上戸田氷川神社の創立は、縁起によると永徳二年(一三八二)と伝え、古くから旧上戸田村の鎮守として祀られてきました。
祭神は、素戔嗚命で、明治六年に村社となり、明治四十年に旧上戸田村にあった羽黒社、道祖神社、山王社、稲荷社などを合祀しています。
境内には、寛政十年(一七九八)の銘がある石造の大鳥居や、延宝元年(一六七三)十月造立の市内で最も古い庚申塔があります。
羽黒社は合祀されていますが、以前はボートコース下流の水門の付近にあったと思われます。出羽三山信仰のひとつ羽黒山大権現を勧請したものです。この社は、天保年間(一八三〇~)に刊行された『江戸名所図会』にも挿絵入りで賑わった様子が紹介されています。
また、「江戸日本橋」と銘のある手洗石や、当時の若者達が力自慢に差し上げた力石、文政七年(一八二四)の銘がある「涼しさやほの三日月の羽黒山」と刻まれた芭蕉の句碑などが移されています。(戸田市教育委員会掲示より)

新編武蔵風土記稿による上戸田氷川神社の由緒

(上戸田村)
羽黒権現社
社地は塚の如く築立し所なり。故に土人羽黒塚と云。当社は宝徳2年出羽国羽黒権現を擬して勧請せしと云。当社の後に榎一株あり。樹根より一丈許の所、二支の際に上池の水たへず湛へたり。これ近き頃よりのことにて土人御水と云ひ、権現の供水なりとて、乳なき婦人或は病にかかる人用ひて霊験を得るにより、近郷のもの乞て持帰るもの多し。光明寺持。御与堂。
氷川社
多福院持。末社、稲荷社、八幡社。持上に同じ。
第六天社二宇。
一は持上に同じ、一は海禅寺
稲荷社
一は当村及び下戸田村の鎮守なり。故に両鎮稲荷と号す。本地十一面観音を安ず。一は多福院持なり。
山王社
海禅寺持なり。(新編武蔵風土記稿より)

「埼玉の神社」による上戸田氷川神社の由緒

氷川神社<戸田市上戸田三-二〇-一一(上戸田字後谷)>
当地は荒川河畔の海抜三〜五メートルほどの自然堤防上に発達した集落であるが、市内でも当地だけに古墳前期までの方形周溝墓が百基以上発見され、当時この辺りを治めた有力な支配者がいたことがわかる。
当地の東部、下戸田境を南北に走る中山道は、中世には既に鎌倉街道中道の脇往還として発達していた。当時の武蔵・下総の市を記した「市場之祭文写」(『武州文書』所収)に載る「蕨」は、慶長十九年(一六一四)まで当地にあった宿で、戸田渡しから街道沿いに北に延びる字元蕨がこれに当たり、当地は往昔からの要衝であった。
当社の創建は「足立郡戸田氷川神社並多福院縁起」(『戸田市史』所収)に、永徳二年(一三八二)、戸田城主桃井中務大輔直和が武運長久のために大宮氷川神社を勧請し、城内に(真言宗)亀宝山能満寺多福院を建て、当社の別当とし、以来戸田の鎮守氏神として人々に祀られたとある。ちなみに桃井直和は、足利一門の武将で越中の守護も務めた桃井直常を父に持ち、上皇・将軍・武将の援助を受けて「幸若舞」を創始大成した桃井幸若丸(直詮)を息子に持つ人物である。
直和は『大日本史』に建徳元年(一三七〇)に越中で討死したと記されているが、当地では当社・多福院のほか、臨済宗海禅寺の中興開基、更に大字新曾の真言宗観音寺の開基が伝えられ、子孫の過去帳も残ることから、桃井氏が当地と深い関係にあったことがうかがえる。(「埼玉の神社」より)


上戸田氷川神社の周辺図


参考資料

  • 新編武蔵風土記稿