西方三十三所観音霊場の案内
西方三十三所観音霊場の案内
西方三十三所観音霊場は、港区の21ヶ寺・渋谷区の2ヶ寺から構成されていた、三十三ヶ観音を参詣する観音霊場です。西方三十三所観音霊場の開創については不詳ながら、江戸時代の書「東都歳事記」にも記載され、江戸時代中期には成立していた札所で、残されている標石も宝暦(1751-1764)から昭和にまで及んでいるといいますが、現在霊場としての活動はないようです。
「江戸・東京札所事典」による西方三十三所観音霊場の由緒
東都歳事記、ニ月岸に、「西方三十三所観音札所参、彼岸中参詣多し、ここに順路をしるす。上より順に読下すべし、(以下略)」と出る札所である。
この札所の成立は、二十二番道往寺の標石には「表西方三十三所観世音菩薩、右廿一番一声剣 左廿二番道往寺、裏元文五庚申六月吉日施主吉田氏行将」、とある処よりみて、この頃か早くて享保末の創設とみたい。
この札所の現状をみると、当初より二三カ所、消滅七カ所、移転三カ所である。札所を表示する標石は十二カ寺十三本を数え、年代は宝暦より明治昭和にまで及んでいる。標石の文字は「西方」という言葉が強調され、江戸の西方にある三十三観音であり、又西方阿弥陀の極楽浄土へもつながる札所でもあると。この札所の道筋には西方六阿弥陀もあり、彼岸中の一日行程五、七時間の札所まいりは御利益を願う人々で賑ったに違いない。(「江戸・東京札所事典」より)
西方三十三所観音霊場一覧
- 順了寺(廃寺)港区麻布森元町
- 考寿院 港区愛宕2-8-7
- 寿慶院(廃寺)円福寺支院
- 長久寺 港区愛宕1-3-8真福寺内
- 天徳寺 港区虎ノ門3-13-6
- 陽泉寺 港区赤坂1-11-9
- 永昌寺 港区六本木2-1-20
- 大泉寺 (六本木より移転)八王子市大和田町7-13-1
- 祟巌寺 港区六本木6-1-24
- 光専寺 港区六本木7-14-12
- 深光寺 港区六本木7-14-6
- 台雲寺 渋谷区恵比寿1-18-1
- 法音寺 港区芝4-6-17
- 春林寺(廃寺)港区三田4-1
- 済海寺 港区三田4-16-23
- 玉鳳寺 港区三田4-11-19
- 貞林寺(瑞正寺に合併)港区三田
- 林泉寺 港区三田4-3-20
- 大信寺 港区三田4-7-20
- 浄閑寺(魚藍寺) 港区三田4-7-21
- 一声剣(廃寺)道往寺内
- 道往寺 港区高輪2-16-13
- 引接院(廃寺)高輪泉岳寺そば
- 黄梅院 港区高輪1-27-21
- 興雲院 港区高輪1-24-6広岳院
- 西照寺(芝白金より移転)杉並区高円寺南2-29
- 正源寺 港区白金2-7-19
- 専心寺 港区白金2-1-43
- 称念寺 港区南麻布3-9-2
- 遍照寺 港区南麻布3-4-6
- 円福寺 渋谷区東2-6-16宝泉寺
- 専称寺 港区元麻布3-1-37
- 長谷寺 港区西麻布2-21-34
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